2023年度の幕が開き、早2週間が過ぎた。各テレビ局、各番組で新体制でのスタートを切ったが、もっとも注目したいのは、毎年春の改編で恒例の人事異動を行うNHKである。だが、その前に前年度の女子アナウンサーの体制や勢力図は果たしてどうだったのか。新年度のNHKの新体制について触れる前におさらいし、その活躍度をベスト5のランキング形式で紹介したい。
第5位・中山果奈アナ

まず第5位は、1991年広島県広島市生まれ、2014年入局の中山果奈アナである。実に意外な名前が挙がったと思われる人も多いのではないだろうか。なかには、そもそも中山アナの名前すら知らない人もいるに違いない。
主なレギュラー番組は、司会を務める『ハートネットTV』と、ナレーションを担当する『ダーウィンが来た!』の2本で、どちらも特段、NHKを代表する番組というワケではない。それにもかかわらず、エム・データ調べの「2022年TV番組出演ランキング」の“アナウンサー・キャスター”女性部門で、フジテレビの井上清華アナの518回に次ぐ第2位に輝いているのである。その回数、なんと494回。あともう少しで500回に達するところだった。
これには理由がある。中山アナは、高い確率で『正午のニュース』とその直後の『関東甲信ローカルニュース』を担当するほか、1日に10回以上も放送される5〜10分ほどの『定時ニュース』のキャスターとして、しばしば登場しているのである。そのため、昨年6月19日の石川県能登地方を震源とする震度6弱の地震が発生した際には緊急地震速報の一報を、7月8日には奈良県で銃撃された安倍晋三元首相死去の一報を、速報で伝えることとなった。
キャリアがある分、このような緊急ニュースへの対応も慌てず冷静で、視聴者は実に安心して観ていられる。相対的に地味なポジションや役回りが多いが、与えられた仕事をきっちりとこなす“職人”なのである。彼女のようなバイプレイヤーをNHKは、まだほかにも多数抱えており、これがNHKの強みのひとつといえよう。