外部人材に対する企業のジャッジはよりシビアに

年々増加するフリーランス人口に伴い、履歴書や簡単な職務経歴書だけでは企業に選ばれ続けるための差別化が難しくなっています。

企業が外部人材を選ぶ際に最も重視しているポイントを調査したところ、3年連続で1位になったのはやはり「専門性」でした。何かのプロフェッショナルである、とアピールすることは重要です。

一方で、このランキングに変化が現れています。

この1、2年で副業・兼業を取り巻くビジネス環境が拡大した結果、企業は「豊富な実績」よりも「仕事の速さ」「信頼性」を重視するようになりました。

実績を持つ人材が市場に増えたことで、「何ができたか」より「実際にやり取りがスムーズか、信頼できるか」を重視して企業側が人材を選べるようになっていることも一因でしょう。

また、DXやデジタル化が進みビジネス環境の変化がますます加速しているため、いち早くトライアンドエラーを繰り返して改善をしていける人材に価値があります。実績が豊富でもレスポンスが遅い人より、行動の量と質、どちらも備えた人に魅力を感じる企業が増えているのかもしれません。

さらに、全体的に重視されるポイントも変化しています。「実績があるプロフェッショナル」であるだけではなく、「仕事が早く、信頼ができるプロフェッショナル」であることが、昨今では求められるようになっているのではないでしょうか。

フリーランスが企業にこうした印象を持ってもらうためにも、コミュニケーションの質を高める努力が差別化に繋がる可能性もあります。

企業のニーズを明確に汲み取って提案することが重要

企業が仕事を依頼しない理由については、2020年度は「タイミングが合わない」2022年度はコロナ禍の投資抑制で「費用が予算に合わない」がそれぞれ1位でしたが、今回「条件に合わない」が初めて1位になりました。

企業が外部人材を複数回に渡って起用していく中で、リテラシーが高まっているのではないでしょうか。

依頼した業務に対しての報酬の相場感や、投資判断ラインなどの条件をしっかりと社内で事前に確認してから相談されるケースが増えていると考えられます。

提案する立場にある外部人材は、相手が求める条件を詳しくヒアリングして、自分が満たせるポイントをアピールすることで、失注を減らせるかもしれません。

直接契約でも仲介契約でもトラブルが起きている

近年、よく言われるのが、フリーランスの契約トラブルの多さです。『プロシェアリング白書2023』でも、契約条件によってトラブルの性質が変わるのかを調査しました。

その結果、直接契約、仲介業者を介した契約のいずれでもトラブルは同じように起こっていました。

また、副業層に契約トラブルが多い傾向が見受けられました。

特に初めて副業を経験する人は、契約内容を事前に副業契約に詳しい人や業者に確認してもらったり、後述するプロジェクトマネジメントを意識して実践したりすると良いかもしれません。