観光で訪れた先で立ち寄りたい図書館をピックアップする「観光できる図書館シリーズ」。4回目は、Library of the Year2022 大賞を受賞した、みんなの森 ぎふメディアコスモスの中にある「岐阜市立中央図書館」をご紹介します。
開館当初から、施設コンセプトや建築スタイルが大きく注目され、全国各地から視察が絶えない話題の図書館。「メディコス」の略称で地元の人々から親しまれているのはもちろん、旅の途中で訪れる人も多いのだそうです。
目次
1. 岐阜市立中央図書館は「屋根の付いた公園」がコンセプト
2. 図書館の天井がすごい!匠の技が集結した自然美の芸術
1. 岐阜市立中央図書館は「屋根の付いた公園」がコンセプト
岐阜市立中央図書館は、2015年にオープンした「みんなの森 ぎふメディアコスモス」の2階にあります。昔ながらの公共図書館から大きく様変わりをして、広々とした空間でのんびり過ごせる滞在型の図書館になりました。まさに、コンセプト通りの「屋根の付いた公園」です。
岐阜へ初めて訪れる人にも分かりやすいロケーションの良さも大きな魅力。JR岐阜駅北口から長良川方面へ続く、金華橋(きんかばし)通りを2kmほどまっすぐ北へ進むと、岐阜市立中央図書館(ぎふメディアコスモス)が簡単に見つかります。市内を運行するバスも複数の路線を利用できてアクセスの良さは抜群です。
図書館の中では、小さなお子さんを連れた方が多いことに気づくはずです。
おうちの人を呼ぶ声を耳にすることもあれば、話し声に笑い声、ときにはぐずっている声も。しかし、ここでは子どもたちのざわざわ声は想定内。「子どもの声は未来の声」を合言葉に、来館者もスタッフも子どもたちの自然体な姿を大きな心で見守っているのです。
赤ちゃんからお年寄りまで、多くの市民から公園のように親しまれている証といえるのかもしれません。
2. 図書館の天井がすごい!匠の技が集結した自然美の芸術
ぎふメディアコスモスの中に入ると、穏やかな木の香りが包み込んでくれます。2階へ上がって図書館の天井を見上げると、一面に広がる格子状の屋根に圧倒されることでしょう。
天井の格子には、岐阜県産ひのき材がふんだんに使われています。なんと丸太約17,500本分もあるそう。格子のゆるやかなカーブは、加工ナシの自然のしなりで曲がったもの。大勢の大工さんの技によって3か月かけて作り上げられた芸術作品と言えるでしょう。
天井から降り注ぐ、ナチュラルな光もぜひ感じ取ってください。ぎふメディアコスモスの照明にはすべて電球色が使われていて、心が落ち着く光であふれています。天井には、大きな漏斗(ろうと)型の「グローブ」と呼ばれるかさが吊るされ、それぞれの天頂から外の自然光が入ってきます。
ひのき材の格子が一面に広がる天井は屋根のある公園のような「大きな家」を、吊るされたグローブは家のリビングのような「小さな家」を演出しています。