スペイン政府の歳出の50%は各自治州に交付金として支給する金額だ。また各自治州が徴収する税金の15%は自治州の歳入となって、スペイン政府に収める必要がない。 カタルーニャの独立宣言をした2017年を最後に翌年からはカタルーニャから離れる移民が出るようになっている。一方のマドリードは移民が増えている。 2010年から2019年の間のマドリードのGDP成長率は1.6%に対しカタルーニャは1.0%。 2020年の統計によると、マドリード州の州民一人当たりの負債が5037ユーロに対し、カタルーニャ州は10407ユーロの負債となっている。一人当たりの所得を見ると、マドリードの州民は34641ユーロに対しカタルーニャ州民は30572ユーロ。 税金徴収への圧力をEUを100とした場合に、マドリードは87.6、一方のバルセロナは134.5。 カタルーニャはスペインで商業が最も盛んな自治州で、2020年の年間収支は179億ユーロの黒字。マドリードは135億ユーロの赤字。 カタルーニャが独立したいことについて、最も支持が高い国はイタリアで16.5%。最も関心の薄い国はオランダで4.5%。EU加盟国の10人中の6人がカタルーニャの独立運動がスペインのイメージダウンになると評した。 年金による財政赤字の最も顕著な自治州はカタルーニャで、年間324万ユーロの赤字。一方のマドリードは152万ユーロの黒字。 カタルーニャの独立への動きが活発になってから23%のスペイン人がカタルーニャ産の商品やサービスを受けることを拒否している。 カタルーニャの州知事はスペインの首相よりも多く報酬が多く13万ユーロ。スペインの首相は8万5000ユーロ。州政府の大臣もスペイン政府の大臣よりも報酬は多い。 仮にカタルーニャが独立するような事態になると、カタルーニャの負債はGDPの178倍に膨れあがることになる。それは同時に新しい通貨を発行しても50%の切り下げを直ぐに余儀なくさせられるのは必至である。
一方、スペインにとってもカタルーニャが独立すれば経済規模は20%削減されることになる。
これらの指摘内容からカタルーニャが独立するのは経済的にスペイン全体にとってもマイナス要因となるということである。また、仮に独立してもデメリットの方がメリットを相当に上回っている。それを承知で現在も独立支持派の州政府は独立への歩みから退く意思はないのである。結局、その被害を受けるのは罪のない州民である。
これから先おそよ10年余りが経過した時点で、州民は独立運動が如何にカタルーニャ経済の進展を阻むことになったか理解されるであろう。