ESPAÑA, CATALUNYA NOMBRA EMBAJADOR PARA JAPÓN. 05-04-2023

カタルーニャ大使館の再開

スペインからの独立を目指すカタルーニャ州政府は外国に大使館と商務部の設置を再開している。2017年10月に独立宣言をした後、スペイン政府から州政府の機能が2018年6月まで停止された。その後、州議会選挙のあと州政府が再開されて現在まで18ヶ国に大使館を設置し40か所に商務部を設けている。

州政府が今回派遣した日本大使の年俸は9万2000ユーロ(1100万円)に加え、日本の物価高に応えて特別手当も用意されているという(2月2日付「ボスポプリ」から引用)。

州政府にとって大使館の開設が重要だと考える理由の根底にあるのは、独立を目指すカタルーニャの存在を外国でよりよく知ってもらうためである。大使館がその広報役を演じることになっている。

勿論、自治州が外国に大使館を設けるというのは違法である。しかし、カタルーニャ州政府はこれまでそれを無視して来た。

カタルーニャ州政府は来年の外務関係の予算として8.7%の上昇を見込んで9720万ユーロ(116億6000万円)の予算を予定しているという。

カタルーニャ州は財政赤字が最も顕著な自治州

財政赤字がスペインの自治州の中で最も顕著なカタルーニャ州で、しかも徴税の数が最も多い自治州が更に独立の為の大使館を設けるということは独立支持者以外は誰も理解できない。

カタルーニャ州政府の財政は赤字である。スペインの自治州で課税の種類が一番多いのはカタルーニャ州で、15種類ある。例えば、2019年から2021年の間に商業施設でカタラン語が使用されていないということで罰金が科せられ、その徴収額は24万3848ユーロ(2926万円)にまでのぼったという。(3月1日付「ABC」から引用)。例えば、レストランのメニューには必ずカタラン語が記載されていることが義務である。それと併記してスペイン語や英語の記載は自由である。

目立ってこの罰金の対象になったのが飲食業や小売業である。

カタルーニャに次いで課税が多い州はむムルシア州とアンダルシア州で、それでも課税は6種類だけである。カタルーニャは課税の種類は断トツに多いということになる。それも外国の企業がカタルーニャへの進出を避ける要因になっている。

しかし、カタルーニャの独立については現状ではもう誰もが不可能であるというのは理解している。しかし、今も独立支持派はあらゆる手段を使って独立の為の活動をしている。独立への歩みを始めた2012年頃は人口760万人のカタルーニャは規模として似ているデンマークのような国家を目指すとしていた。

また、この独立運動によって齎されたカタルーニャの現状を色々な方面から分析している549ページの著書「ECONOMÍA DEL SEPARATISMO CATALÁN」が市販されている。著者はフェラン・ブルネット氏でバルセロナ自治大学の教授である。因みに、ブルネットという苗字は典型的なカタルーニャの苗字のひとつである。

筆者はそこから読者の為に参考になる内容を一部以下に披露することにする。それに少し筆者の意見も加えた。