やりやすさだけを求めず、柔軟な発想も大切
さて、最も進めやすいのは、官民連携の仕組みを持っており、首長と職員が熱心な自治体です。しかし、どの企業もこうした自治体と付き合いたいと考えますので、多くの民間企業が集まるレッドオーシャンでもあります。
やりやすさだけを求めず、戦略と求める成果によって柔軟に付き合う自治体を判断することも良いでしょう。今まで企業と付き合ったことがない自治体がかけがえのないパートナーとなる可能性もあります。
こうしたチェックポイントとなる情報は自治体のHPの組織図や各種計画情報から仕組みや組織を知ることができます。また、「オープンイノベーション+自治体名」「官民連携(官民共創)+自治体名」などでインターネット検索を行ってリサーチすることもできます。
首長や職員の熱意に関しては、実際に付き合ってみることが大切ですが、会話を交わすだけでも分かることがあります。これは多くの首長や職員と話をすればするほど、その感覚が養われますので、自治体と繋がるイベントやワークショップに参加して自治体との接点を増やしてみましょう。
動画やインタビューなどで自分の哲学や考えを発信する首長も増えました。是非そうした機会を活かし、自社に合った自治体を発見するための感性を養ってみて下さい。
<著者プロフィール>
小田理恵子
一般社団法人官民共創未来コンソーシアム
代表理事大手SI企業にてシステム戦略、業務プロセス改革に従事。電力会社、総合商社、ハウスメーカーなど幅広い業界を支援。
自治体の行政改革プロジェクトを契機に、地方自治体の抱える根深い課題を知ったことをきっかけに地方議員となることを決意し、2011年より川崎市議会議員を2期8年務める。民間時代の経験を活かし、行財政制度改革分野での改革に注力。
地域のコミュニティと協働しての新制度実現や、他都市の地方議員と連携した自治体を超えた行政のオープンデータ化、オープンイノベーションを推進し国への政策提言、制度改正へ繋げるなど、共創による社会課題解決を得意とする。
現在は官と民両方の人材育成や事業開発(政策実現)の伴走支援・アドバイザーとして活躍。