「今後のキャリア」も大事な項目です。
子供を育てながら、自分が今後どんな風に働いていきたいのか?しばらくは制約があるけれど、乗り越えながらがんばり、〇年後にはこんな風に働いていたい、そんな想いをしっかり整理して伝えられたら、会社側もあなたの今後のキャリアについてイメージしやすくなります。
そういった意思の疎通がなければ、「家庭優先がいいはず」「負担のない仕事がいいはず」と、過剰な配慮や気遣いをされてしまう場合もあります。会社によってはここまでしっかり話し合いをする機会を設けていなかったり、後述する通り個々の環境に合わせた働き方が出来るとは限りませんが、話し合いは復職への第一歩です。後で困らないように自ら動くべき、とアドバイスをしておきたいと思います。
育休復職時の部署異動や雇用形態の変更を打診されたら育休からの復帰時に、思わぬ部署異動やパートなど雇用形態の変更を打診されることがあります。
大前提として、育児・介護休業法では「育児休業等の申出・取得等を理由とする解雇その他不利益な取扱い」を禁止しています。
不利益な取り扱いの中には「不利益な配置変更」や「退職や正社員を非正規社員とするような契約内容の強要」が含まれています。
「うちには時短勤務制度はないから」「前例がないから」などの理由で、正社員からパートタイムへの切り替えを一方的に伝えたり、本人が望まない部署への異動を決めてしまう会社も珍しくありません。
ただ、会社にも人事権があり、人事異動そのものが禁止されているわけではありません。異動することで自宅が近くなるなど、会社が子育てに配慮したための異動であれば拒否できないこともありますが、役職から外されたり給与が大きく減額されたり、通勤時間が大幅に延びたりした場合は、不利益な扱いに当たる可能性があり拒否することができます。
正社員を非正規社員にするような不利益な変更も、望まない内容であれば拒否できます。間違った説明を受けて、そういうものだと真に受けてしまい、後から後悔しないようにルールを知った上で会社とよく話し合う必要があります。
復職後の働き方を考える職場復帰にあたって、復職後の働き方でフルタイムか時短勤務で迷っている人は多いのではないでしょうか?時短勤務を利用したい人は多い反面、キャリアアップや昇格で不利になるのではと不安を持つ人も少なくありません。
育児短時間勤務制度、いわゆる時短勤務は、育児・介護休業法で定められている制度です。3歳に満たない子を養育する労働者に関して、1日の所定労働時間を原則として6時間とする制度を設けなければいけません。時短勤務は女性だけの制度だと誤解している方も多いのですが、男女ともに利用できます。
ただ、時短勤務制度が法的な義務である事を知らない会社も多いのが実情です。育休から復職しても、フルタイムで働けないからと、言われるがままに非正規のパートになったり、退職したりしてしまう人も多くとても残念なことです。
法的に時短勤務制度の期間は3歳までとなっています。3歳以降の小学校入学までのまでの期間は「努力義務」で企業に対して強制力はありません。
厚生労働省が発表した令和3年度雇用均等基本調査によると、時短勤務ができる最長期間は、3歳未満が最も多く53.1%、次いで小学校就学の始期までが16.1%、小学校就学の始期まで及び小学校入学以降も対象が41.9%となっています。3歳以上でも利用できる企業は年々増える傾向にあります。
自分の勤務する会社の時短勤務制度が何歳まで利用できるのか、事前に人事部の人に確認したり、就業規則を確認しておきましょう。
時短勤務を利用すると、短縮した時間分の給与の取り扱いが気になる人も多いでしょう。
時短勤務によって減少した労働時間に対し賃金を減少させるのであれば、法的に問題ありません。ただし、基本給以外の手当や賞与については企業の裁量で支給されるものであり、法的なルールや制限はありません。時短勤務によって、手当や賞与がどのように扱われるのかは、事前に確認しておくと良いでしょう。