駐車場所を考える
続いては、車の駐車場所について。いくら自然の山奥で「駐車禁止」の標識が無い場所とはいえ、どこでも停めていいわけではない。では、どういった場所を避けるべきなのかを解説していこう。
公共物周辺は避ける
山奥にも「生活道路」は間違いなく存在する。バス停やゴミ集積所周辺は他よりかなりスペースが広いのだが、それも目的を考えれば当たり前の話だ。いくらスペースに余裕があっても、そこは公共車のためのもの。絶対に停めてはならない。
特に見落としがちなのが、何でもない場所にニョキっと生えるかの如く存在する消火栓。当然、この周囲にも駐車しないように気を付けたい。
民家周辺は避ける
山奥を流れる里川の場合、渓魚が棲む渓流の横に普通に民家があったりする。こういった場合、くれぐれも住民の方々の邪魔にならないように注意しよう。
農地・空き地に注意
だだっ広い空き地だと思っていたら、実は所有者がいた・・・なんて事は普通にあり得る。管理されている農地の可能性もあるため、本当に駐車して良いスペースなのか、注意が必要だ。
すれ違いが出来るように
良いポイントが目の前に現れると、すぐにでも車を停めて突撃したくなるのがアングラーの性。
だが、道幅が狭い場所に停めてしまうと、対向車とのすれ違いが出来なくて大変危険だ。車1台が余裕をもってすれ違えるだけのスペースを必ず確保しておこう。
通行禁止区間に注意
渓流は大自然の中に飛び込む釣り。場所によっては除雪されていない通行禁止区間があったり、落石による通行止めとなっている事がよくある。こういった場所は、安全の面からもきちんとルールを守るようにしたい。
先行者に気を配る
渓流釣りにおいて、最も多いトラブルが先行者とのすれ違い。著者も最近、このトラブルに見舞われることが多くなったように感じる。
先に入渓している人がいる場合は、別の川に行くか、しっかりと区間を確保して入渓するのが絶対のマナーだ。ここでは、入渓時における注意点を纏めて解説しよう。
基本は釣り上がり
渓流釣りは入渓場所から釣り上がって行く「遡行スタイル」が基本。もし入渓したいポイントに先行者がいた場合、最低500m、出来れば1キロ程度の距離を空けて入渓したい。
それも、可能なら下流側に入渓するのが暗黙のマナー。小規模河川の場合はポイントが非常に限られてしまうため、別の川に行くなどの配慮も必要だ。
釣り降る場合の注意点
場所によっては釣り降り(下流方向に向かって釣っていく)を行いたいこともあるだろう。仮に釣り降りを行う場合は、下流側にも1キロ程度に渡って人がいないことを確認しておく。
もしくは、釣り上がりで入渓する事が不可能な場所を選んでおけば、別のアングラーと遭遇することは無い。とはいえ、人気河川の場合はあちこちから人が来るので、解禁日や禁漁前、成魚放流直後などの混雑時は絶対に避けるようにしよう。
追いついてしまったら
下流側に入った場合でも、極まれに先行者に追いついてしまう事がある。その場合は一声かけて、静かに下流側から脱渓し別の場所へと移動しよう。くれぐれも追い越しはしないこと。