<例3>
A:あなたは昨日も今日も遅刻してみんな迷惑してます。みんなに謝って下さい。 B:まだそんなこと言っているのか。明日遅刻しなければ問題ないだろ。
<例3>
A:あなたは昨日も今日も遅刻してみんな迷惑してます。みんなに謝って下さい。 B:まだそんなこと言っているのか。明日遅刻しなければ問題ないだろ。
いずれの例も肯定的な行動が否定的な行動の必要性を解消していません。
<事例1>民主党政権の宿題
<事例1>衆・厚生労働委員会 2016/11/02
中島克仁議員(民進):今回提出されている年金カット法案、昨日質疑入りしましたが、今後、そういった試算を改めて出すことも含めて、丁寧に、また同時に、国民の皆さんに理解を求めるべく工夫をしながら進めていくつもりがあるのかどうか、まず御答弁いただきたいと思います。
塩崎恭久厚労大臣:年金法案で、きのう一番多くの指摘があったのは、民主党政権下の宿題であり、それを粛々と「未来への責任、改革は先送りしない」という民進党の綱領にあるような哲学でやっているわけであります。
中島議員:民主党政権という話が出ましたが、私は二〇一二年初当選です。民主党政権は経験しておりませんし、その後、二〇一四年に民主党、そして今、民進党。我々は前向きな話をしています。過去どうだったかというよりは、これから年金制度をどうしていくのかということを、前向きな議論をしていただきたい。
中島議員は、前向きな論点を掲げることで、民主党政権の失政という後ろ向きな論点を回避しています。しかしながら、政府には政策の継続性が要求されるため、民主党政権の失政は政権交代した安倍政権に多くの点で負の遺産となり、論点を避けて通ることができなかったのです。
なお、過去を検証することはけっして無意味ではなく、未来の帰納的な予測に貢献します。過去の検証なしに「未来をどうしていくか」を議論した場合には演繹的な予測に頼らざるを得ないため、根拠のない空論となることが懸念されるのです。