コロナ禍でもラーメン店が強かった理由
2020年から始まったコロナ禍も4年目。油断はできないが、大小のイベントも以前のように開催されて、世の中の雰囲気はコロナ前に戻ってきた。
丸源ラーメンはコロナ前(2018年)の業績を大きく上回る。既存店比では同年下半期(7~12月)の売り上げを「100」とした場合、2022年下半期は「115.3」に伸びた。
「もともとラーメンは、昼の需要が多い商品です。丸源ラーメンの売り上げ構成比もランチの時間帯が約65%、ディナーの時間帯が約35%となっています。どの時間帯に需要があるかも地域や業種で異なり、前述の香川県におけるうどんは朝中心。住宅街の一角で営む個人店では、朝早くから営業し、午後の早い時間に閉店する店も多いのです」(同)
外出自粛期もラーメン店は比較的堅調だった。理由のひとつに“息抜き外食”もある。
「一般的に30分で食べて帰れる業態です。お客さまが長時間滞在しないので座席の回転率も高い。コロナ禍の外出自粛時期も、さっと食べて店を出る方が多かったと考えています」(同)
最近、少し興味深い情報を耳にした。コロナ禍で自宅での食事が中心となり外食回数が減った結果、「外食は味が濃い」と思う人が増えた、という話だ。丸源ラーメンにもそんな声があるのだろうか。
「そうした話は聞かないですね。2016年に従来の麺よりも糖質を50%カットした“糖質カット麺”も開発しましたが、お客さまはそれぞれの好みに応じて楽しまれています」(同)
別の取材では、「最近は魚介や豚骨のみを用いたシングル出汁(だし)はあまりウケず、複数の出汁を足した合わせ出汁が多く、総じて濃厚な味が好まれる」という話も聞いた。
今後の課題は「人材の確保」
業績好調な「丸源ラーメン」の残された課題は何か。
「最も大きいのは、人材の確保です。今後はチェーン店の統一感を大切にしつつ、複雑だったメニュー構成を絞るなど、現場の運営しやすさを向上させて、さらなる顧客満足につなげていきます。集客数も伸びた現在、それに取り組まないと、郊外の大型店は立ち行かなくなります」(同)
外食チェーン店は注文をタッチパネル、支払いをセルフレジにするなど「DX(デジタルトランスフォーメーション)化」も進めるが、池田さんは「DXが向かない業務もある」と話す。
「ラーメンをつくる調理作業もそうですし、商品提供もそうです。ロボットにラーメンを運ばせることはやりません」(同)
この話を聞いて、前述の「鉄板玉子チャーハン」を運ぶ際、溶き卵をチャーハンの上にかける行為を、ヒトではなくロボットがやるシーンを想像した。最初は面白く、SNSでも話題になりそうだが、やがて飽きたり物足りなくなったりするのではないか。
グループ業態の「焼肉きんぐ」は、制限時間を定めた食べ放題が主体で、飲食の提供を迅速にするため、配膳ロボット「Servi(愛称みーと)」(ソフトバンクロボティクス社製)を活用する。効率性と情緒性は、消費者心理に合わせて使い分けているようだ。
(文=高井 尚之/経済ジャーナリスト・経営コンサルタント)

提供元・Business Journal
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