磐梯山は日本百名山に数えられ、猪苗代からは吾妻富士と呼ばれる山容と、自然な風景が広がる裏磐梯からも雄大な山容が眺められます。登山の醍醐味も味わえるポピュラーな山ですが、そんな磐梯山への登山のベストシーズンやおすすめのトレッキングルートなどをご紹介します。
会津富士とも呼ばれる磐梯山
福島県の猪苗代町、磐梯町、北塩原村にまたがり、主峰となる磐梯山の標高は1,816mであり、標高1,636mの櫛ヶ峰(くしがみね)、標高1,430mの赤埴山(あかはにさん)の三つの峰にて形成されています。流麗な円錐形をした山姿から会津富士とも称され、“会津磐梯山は宝の山よ”と郷土の民謡としても歌われて親しまれています。その昔、高い山容から、「天にも通じる磐(いわ)の梯子(はしご)である」ということから、磐梯山(いわはしやま)と呼ばれていたのが、後にバンダイサンと音読みされた経緯が山名の由来とされています。
磐梯山の大噴火
磐梯山は近来でも火山性地震を観測している安山岩質の成層火山(ほぼ同じ火口からの溶岩や火山砕屑物が重なり合い円錐状に形成された火山)です。大同元年(806)の大噴火によって猪苗代湖が作られ、明治21年(1888)には火山史上類を見ない大噴火によって北側の小磐梯山の半分以上が大崩落を引き起こして、山麓の11集落を埋没させての大災害をもたらしました。
裏磐梯の誕生
明治21年の大噴火によって主に北側の一帯の風景は一変してしまい、裏磐梯と呼ばれる地域が生まれます。長瀬川の流れが堰き止められ檜原湖や秋元湖の他大小の湖沼群が出現し、美しい風景の景勝地となりました。大爆発後の異様な山容の裏磐梯からの眺めは独特な趣があります。現在では五色沼を代表格に風光明媚な観光地として生まれ変わり、特に秋の紅葉シーズンは絵画の様な景観を作り出します。湖沼群を巡るトレッキングコースも整備されており、磐梯山への登山の起点にもされています。
磐梯山登山の心得
磐梯山は1888年の大噴火以降、大きな噴火などは起きてないものの火山性微動が度々観測されるなど、今でも活動を続けている山と言っても良いでしょう。登山の難易度もそれほど難しくなく、シーズンを問わず登山は可能ですが、まずは、無理のない登山計画を立て、日帰り登山であっても必要な服装及び装備は十分に整え、出発日の天候などの情報を確認しておきます。できれば単独行は避け、パーティーを組んで複数の人数で登ることをおすすめします。
入山者カードの提出
磐梯山登山に当たっては、例え日帰りトレッキングであっても、万一を考えて必ず入山者カードを提出しておきましょう。特に冬山の季節は登山の難易度が高く危険を伴います。登山届(入山者カード)の様式はダウンロードできますので、登山計画を立てたら福島県警察本部地域部『総合運用指令課』宛にファクスやメールで送っておくか、登山道入口に設置してある入山カードポストに投函しましょう。