記憶のプラットフォーム「Monoxer」について

一般的には何かを「憶える」際には、フラッシュカードや単語帳を利用することが多いかと思いますが、いざ効率的に憶えようとした際に、先ほど紹介したテスト効果や産出効果を活用して憶えていくことは、なかなか難しいようです。

そこで、私たちはこれらの記憶の研究に基づき、科学的に憶えられる「Monoxer」を開発しています。

たとえば、憶えていないものを重点的に出題しながらも忘却に対応できるよう、その人に合わせて頻度を変えて出題をしたり、問題の難易度も自動的に調整したりします。

学習する人ごとの記憶の状況は蓄積され、それに基づいて動作を変えるので、使えば使うほど、その人に合った出題がされるようになり、誰でも効率的に憶えることができるようになります。

現在「Monoxer」は、学校や塾といった教育機関を中心に、全国約4,000教室で導入されています。

近年では、塾や学校にとどまらず、中国語教室などの語学教室、美容・医療系専門学校、従業員のスキルアップに力を入れる一般法人、外国人労働者の就労を支援する人材企業など、活用の幅が拡がっております。

記憶することは苦しいことと、とらえられがちですが、「記憶をもっと容易に、より日常にすること」を使命に、引き続きすべての人が自らの可能性を最大限に拡げることで、人生をより豊かに、実りあるものにできるような世界の実現を目指していきます。

<著者プロフィール>

畔柳 圭佑(くろやなぎ けいすけ)
モノグサ株式会社
代表取締役CTO

東京大学理学部情報科学科卒。東京大学大学院情報理工学系研究科にてコンピュータ科学を専攻。分岐予測・メモリスケジューリングを研究。修士(情報理工学)。

修了後は、グーグル株式会社(現・グーグル合同会社)に入社。Android、Chrome OSチームにて、Text Frameworkの高速化およびLaptop対応、ソフトウエアキーボードの履歴・Email情報を用いた入力の高精度化、およびそれを実現する高速省メモリ動的トライの開発、ジェスチャー入力の開発に従事。

2016年、モノグサ株式会社を竹内孝太朗(CEO)と共同創業。CTOとして記憶のプラットフォーム「Monoxer」の研究開発に従事。