槍ヶ岳の初心者向け登山ルート

初心者向け槍ヶ岳の登山ルートガイド!登山口へのアクセスやコースタイムなど解説!
(画像=Photo by prelude2000、『暮らし〜の』より 引用)

槍ヶ岳登頂を目的とした登山ルートには、沢筋ルートと呼ばれる上高地からの槍沢ルート、新穂高ロープウェイを使う飛騨沢ルート、登山難易度がきつい、尾根筋ルートと呼ばれ長距離を歩く北鎌尾根、西鎌尾根ルート、裏銀座ルート、表銀座ルートなどが主なルートで、その他バリエーションルートを挙げれば数ルートがあります。ここでは、初心者の登山紹介がメインですので、最もポピュラーで登山口へのアクセスも良く、難易度もそれほどきつくない二つのルートをご紹介します。

槍ヶ岳初心者向け登山ルートその①/槍沢ルート

槍沢コースは槍ヶ岳登山ルートの中では最も一般的で難易度もそれほど高くなくチャレンジできるルートと言えるでしょう。上高地を出発起点として清流梓川沿いを歩き、槍沢から槍ヶ岳山荘までゆっくりと登り、登頂後下山まで2泊3日を掛けてアクセスルートを地図通りに進むコースです。登山口までのアクセスは、上高地が車乗り入れ禁止ですのでシャトルバスを利用。

  • アクセスルート紹介・1日目(上高地~槍沢ロッジ)

上高地まではマイカー規制のため沢渡(さわんど)駐車場に車を置きシャトルバスで入ります。槍ヶ岳登山1日目は、この上高地をスタートし、梓川沿いに登山道を上流に進み横尾分岐を右に進み槍沢(梓川源流)沿いに地図の通りに登山道を登ると槍沢ロッジに到着します。

  • アクセスルート紹介・2日目(槍沢ロッジ~槍ヶ岳山荘~登頂)

槍沢ロッジをスタート。登るにつれて樹々がまばらになり登りがきつくなります。右手のカブト岩という奇岩の横を通って水場・トイレがあるババ平に。大曲りからでダケカンバの中を登って水俣乗越を過ぎ、天狗原分岐を右に進んでハイマツ地帯のグリーンバンドに入ると槍ヶ岳が間近に迫ります。ジグザグのガレ場の登山道を登りきると槍ヶ岳山荘到着。山荘にザックを預け槍の穂先に登ります。山頂直下には2連の鉄ハシゴが架けられていますが、高度感が半端ではないので、あまり下を見ないで、三点確保をしっかりして慎重に登れば大丈夫です。祠の祀られている頂上から360度の大パノラマを満喫してください。

  • アクセスルート紹介・3日目(下山)

1日で下山しますので距離が長く、時間を要しますので早立ちがベストです。往路を辿り槍沢を経由して一気に上高地まで下山します。

アクセスルート基本DATA

【アクセス情報:2泊3日、難易度中レベル、距離約30.34km、標高差2,583m、総コースタイム約17時間40分】
【1日目コースタイム:約4時間50分】上高地バスターミナルスタート⇒(60分)明神⇒(60分)徳沢⇒(70分)横尾⇒(60分)一ノ俣⇒(40分)槍沢ロッジ(泊)
【2日目コースタイム:約5時間30分】槍沢ロッジ⇒(30分)ババ平⇒(30分)水俣乗越分岐⇒(50分)天狗原分岐⇒(60分)グリーンバンド⇒(100分)槍ヶ岳山荘⇒(30分)槍ヶ岳山頂⇒(30分)槍ヶ岳山荘(泊)
【3日目コースタイム:約7時間30分】槍ヶ岳山荘⇒(100分)天狗原分岐⇒(80分)槍沢ロッジ⇒(80分)横尾⇒(70分)徳沢⇒(120分)上高地ゴール

* 槍ヶ岳初心者向け登山ルートその②/飛騨沢ルート

槍ヶ岳登山では最短で登れるルートです。登山口までのアクセスは車かバス利用。新穂高ロープウェイの駐車場に車を置いてスタートして槍平小屋で1泊。2日目は槍ヶ岳山頂に登頂して槍ヶ岳山荘に宿泊。3日目に往路を辿り下山するルートです。槍沢ルートほどバリエーションに富んだ景色は望めませんが、危険個所が少ないので経験者との同行であれば難易度としては難しい部類ではありません。登山口までのアクセスは車、バスを利用。

アクセスルート紹介・1日目

新穂高ロープウェイに車を置いてスタート。鎌田川右俣林道を進み、奥穂高岳登山口分岐を通り過ぎ白出沢出会から登山道に入ります。樹林帯の中をしばらく歩くと滝谷出会に到着。右手の岩に滝谷を始めて登攀(とうはん)したクライマー藤本九三のレリーフがあります。1時間ほど進むと槍平小屋に到着です。

アクセスルート紹介・2日目

槍平小屋を早出して枯沢を渡り、樹林帯を進んでガレ沢を過ぎると最後の水場となります。水場からの急登を進んで千丈沢乗越分岐に到着。高山植物の可憐な花々を鑑賞したらつづら折りのガレ場を慎重に登り飛騨乗越にでたら分岐を左に進んで急な斜面を登り槍ヶ岳山荘に到着。山荘から槍の穂先にチャレンジ。鉄ハシゴを慎重に登って山頂へ。雄大な絶景を堪能しましょう。

アクセスルート紹介・3日目

槍ヶ岳山荘を早朝にスタート。往路の登山道を戻り、車を置いてある新穂高ロープウェイ駐車場ゴールです。日程に余裕があれば温泉で汗を流し、ロープウェイで西穂山荘まで往復しても良いですよ。

アクセスルート基本DATA

【アクセス情報:2泊3日、難易度中レベル、距離約26.9km、標高差2,642m、総コースタイム約16時間40分】
【1日目コースタイム:約4時間30分】新穂高ロープウェイスタート⇒(45分)穂高平小屋⇒(70分)奥穂高登山口分岐⇒(90分)滝谷出会(避難小屋)⇒(60分)槍平小屋
【2日目コースタイム:約5時間40分】槍平小屋⇒(140分)千丈沢乗越分岐⇒(140分)槍ヶ岳山荘⇒(30分)槍ヶ岳山頂⇒(30分)槍ヶ岳山荘
【3日目コースタイム:約6時間30分】槍ヶ岳山荘⇒(90分)千丈沢乗越分岐⇒(90分)槍平小屋⇒(40分)滝谷出会⇒(170分)新穂高ロープウェイゴール

槍ヶ岳登山・他のルート案内

初心者向け槍ヶ岳の登山ルートガイド!登山口へのアクセスやコースタイムなど解説!
(画像=フリー写真素材ぱくたそ、『暮らし〜の』より 引用)

ご紹介した槍沢ルート、飛騨沢ルートの他にも、飛騨沢ルートと同じ新穂高ロープウェイを起点とする「西鎌尾根ルート」。燕岳登山口から燕岳、大天井ヒュッテの長い稜線を歩いて槍ヶ岳に至る「表銀座ルート」。烏帽子岳、水晶岳、三俣蓮華岳、双六岳と稜線を辿る「裏銀座ルート」がありますが、クサリ場などの難コースもあり、天候の状況も不変ですので、初心者には難しいでしょう。登山口までのアクセスは西鎌尾根ルートでは、スタート、ゴール地点が同じですので車(マイカー)でOKです。表銀座、裏銀座はスタート、ゴール地点が違いますのでバスを利用します。

各ルートの登山基本情報

西鎌尾根ルート【アクセス情報:2泊3日、難易度中レベル、距離約35.15km、登り累積標高差: 3,366 m、総コースタイム約20時間10分】、表銀座ルート【アクセス情報:3泊4日、難易度高レベル、距離約41.64km、登り累積標高差:6,086 m、総コースタイム約26時間】、裏銀座ルート【アクセス情報:3泊4日、難易度高レベル、距離約53km、登り累積標高差:5,069m、総コースタイム約34時間】

ロープウェイで登山気分を!

登山は難しいけれど、せめて清々しい山の空気と標高の高い場所からの絶景を楽しんでみたい方におすすめなのが、岐阜県飛騨温泉卿から西穂高岳に向かう標高2,200mの千国平まで、第1・第2とロープウェイを乗り継いで登れます。西穂高口駅の展望台からは、目を見張る360度の展望が開け、もちろん槍ヶ岳を始め北アルプスの雄大な絶景を望むことができます。新穂高ロープウェイは西穂高への登山起点にも利用され、奥穂高を経て槍ヶ岳への縦走ルートもあります。また、日本では珍しい2階建てのゴンドラのロープウェイです。