本来米国は核に関してコメントはあまりやらない。「否定も肯定も、なにもしない」が政策だ。

だが、日本相手にはさらに異常な「かん口令」が敷かれる。他国と比べて、日本が想像を遥かに越える大騒ぎになるからだ。

昔、筆者はワシントン海軍工廠文書庫で、核関連機密文書探しをした。米海軍担当将校が「ドイツには言えるが、これは日本には言えないし、見せない」と、核の動きに関して雑談で言ったこともある。

日本とドイツなど欧州への同時期の解禁度があまりにも違うので、筆者がでかい声で文句を言いつつ、どこまで文書解禁ができるか、議論した時だ。

5月のG7議長国として、岸田総理はまたまた「唯一の被ばく国として核廃絶を」、というに違いない。

いまは亡き坪井直さん。有名な被ばく者だ。ネヴァダ核実験場近くのカフェで雑談した。「日本は米国に核の傘利用で、日本防衛を約70年お願いしています。日本の平和は米国の核無しには考えられないのが現実です」筆者はこう言った。

「残念ながらそのようですね。印パ訪問で核廃絶を言っても、それらを反論として使われました。こちらの声が届かなかった。悲しい現実です。しかし廃絶の目標に向けて私たちは諦めないで、前進するしかない」と彼は答えた。鋭い眼光には不動の決意が漲っていた。

いろいろな側面があるし、議論も可能だから、すぐになにが良いとか悪いとか、当然言えない。だがそろそろ、日本人は核兵器に関してまずは「事実」を知り、思考停止から覚醒して議論するべきだろう。

ヒロシマ被ばく2世として、強く申し上げたい。