「相手が先に核を使わない限り、米国は核を使わない」という政策。

「核による通常兵器使用の抑止にならなくなる」という弱点がある。

これも、日本の防衛で一番大きな役割を果たしている米国の「核の傘」に影響がある。頼りの米の核の「威嚇力」が弱まり、日本の防衛に綻びが生じる。

国家安全保障局次長だった兼原信克氏。「米国は勝てば良いと思っている。だが日本は前線国家なので、始まったら困る。だから米国に核戦力で抑止してもらう。相手が始めたいと思わないようにしてもらいたい」という論点をいう。説得力がある論理。日本国民は理解するべきだ。

さらにオバマ政権が核弾頭付きのトマホークから核を外すことを検討した時、それに対して日本防衛力を弱めるのでやらないでくれと、日本政府が米にお願いしたことも、多くの日本人は知らない。

岸田総理と共に、ウクラ電撃訪問した秋葉氏、国家安全保障局長の名前が、10年近く前に米にお願いした日本人として、ワシントンで名前が出たことも知られていない。

つい最近、ウクラ戦争の最中にも、同じようなお願いごとがなされたことは英紙なども報道。世界が知っていることだ。

さらに民主主義陣営による中露対策の視点からいうと、仲間のNATO「核共有」も、基本は同じ。日本政府は非難しますか?

今回の官房長官のコメント。この側面で問題提起は聞いたことがない。本当に日本メデイアも、トンボの1種、かなりの問題がある。

先の戦争で思考停止になった日本国民。「悲惨」で「絶対悪」と言えば、核が世界から無くなると信じている。

今回のプーチンの言動は最悪で絶対に許せないが、過去70数年の日本の平和、日本防衛も含めて、これまで国際政治で大きな役割を果たしてきた事実を直視しない。考えない。完全否定だけ。

昔、実際にあったこと。日本の平和を確保するためもあり、米の原子力潜水艦が日本に寄港した。反核運動の一環として原潜反対の声が日本中で起きた。

鮮明な記憶があるが、反対理由は放射能が漏れて海に流れ出すというもの。驚くべきは、「原爆」と「原潜」を重ね合わせ、同じものとしてみる主張もあった。

実はもっと重要なことが当時あったのだ。この時の公文書を調べたが、発見できていない。だが原潜は核搭載。一番抑止力がある「核原潜」だったと当事者から聞いた。

核持ち込みで反対ならまだしも「動力」としての核に反対が、日本国民のレベルだった。核持ち込み、特に「海中移動核」は最も効果がある拡大抑止力だ。日本防衛で大きな役割を果たしている。それへの議論なら分かるが、現実はそうではなかった。

日本政府は支持率が下がるので、そんな日本国民に知らせぬまま、米国相手に巧く、核の威力を利用している。

筆者はマッカ―サー大使から始まり、フクシマ事故に関するルース大使など、計10人の駐日大使と対談した。日米関係の各種側面で議論した。その1人、マイヤー大使は雑談でこう言った。核関連で日本政府が思考停止の日本国民をどのように扱うかに関してだ。「日本政府は”ガイアツ”という言葉と概念を巧く使う。非常に賢い。米国は言っていないのに、言ったかの如くメデイアに公開させる。そうすれば強い批判を避けることができる。我々としては日米関係、東アジアの安定と平和のためになるなら、それでも構わない。利用してくれても良い」そんな内容を言った。日本政府が思考停止の国民を巧く引っ張るために、米国を利用していると感じた。