20230324 予算委員会本番原稿
日本維新の会、音喜多駿です。昨今議論となっております「放送法文書問題」について、私は、政府予算案の審議という本委員会の本来の趣旨に基づいて、主に公文書管理と放送行政のあり方に関する未来志向の議論を行いたいと思います。
今回この問題がこじれてしまっている第一の原因に、行政文書の正確性が争点になってしまっていることがあげられます。まずこの点、1-3月10日に、内閣府独立公文書管理監から「行政文書の正確性の確保について」という要請文書が各行政機関に送付されたと仄聞しますが、これは事実でしょうか、担当の岡田大臣に伺います。
答弁
こうした要請を出しているということは、内容としてすべてが正確ではない行政文書があるということを、現段階では事実上、お認めになっているということではないでしょうか。事後にあれこれと言うことは簡単でも、作成するその場で、常に客観的に正確であることを求めるのは、いくら官僚の皆さまが優秀でも極めて難しいことです。
そもそも行政文書には、どこまでの正確性を求めているのでしょうか、意思決定過程における職員の所感、伝聞の記録に、客観的な正確性を完璧に求めることは不可能ではないかと考えますが、岡田内閣府担当大臣の見解を伺います。
答弁
この質問をしている意図はですね、行政文書をおとしめたいわけではありません。後ほど総理にもお伺いしますけども、今回の騒動で霞が関が「完璧を求めるあまり、メモや記録を残さない組織」になってほしくないからなんです。
私も都議会議員のときに百条委員会というものを経験しまして、行政文書をダンボール何十箱分も出してもらったことがあります。その中には、まさに作成者のメモ書きや内輪のみで共有されるものであって、知事や副知事は預かり知らぬもの、組織としての正式見解とは異なるものもありました。
ですから、ある行政文書について、事後的に不正確な内容が見つかることは、ままあると思います。本件であれば大事なのは、実際に放送行政が歪められたのかどうか、という点で、その観点からすれば、一連の行政文書の中においても、高市早苗大臣は決して話題の中心ではありません。
ただ、しかしながら、売り言葉に買い言葉だったのだと思いますけども、高市大臣は不正確とご自身が考えられる文書について、「捏造」という強い言葉を使われて、自身の出処進退にまで結びつけてしまわれました。これが不正確な文書であるなら、淡々と当事者の目線から事実関係を説明すれば、ここまで論点がずれることもなかったと思うんです。万が一にでも、自分が作ったメモが原因で大臣のクビが飛ぶようなことがあったら、役人の皆さんは怖くてメモなんて作れなくなってしまいます。
なので、高市大臣。私はことさらに謝罪することも、大臣が辞任する必要があるともまったく思いませんが、「捏造」という強い言葉を使い、自身の出処進退にまで結びつけてしまったのは、いささか勇み足だったのではないでしょうか。ここまでの議論を冷静に振り返り、やや行き過ぎたという点については、撤回または軌道修正をされるおつもりはないか、これまでの経緯も含めて高市大臣の見解を伺います。

答弁
大臣は役所の職員の上司でもありますから、その言葉はとても強い意味を持ちます。放送行政と政府の関与については後ほど総理にもお伺いします。繰り返しになりますが、私が危惧しているのは、意思決定過程における伝聞メモや立案担当者の所感のメモについて、将来「捏造」と言われてしまうのであれば、またそれが原因で一人の大臣の出処進退が決まってしまうのであれば、記録し保存することはできるだけ止めよう、と官僚の皆さまが思ってしまうのではないかということです。
そこで、総理に伺います。総務省より公表されたような役人メモは、政策決定過程の一部がわかるものであって、歴史的にも価値があり、積極的に作成し続けるべきではないのかと考えますが、総理からの評価と、また、今回のケースが明るみに出て、行政文書の正確性がことさらに争点となったことにより、委縮効果が生まれる恐れがあり、そうした懸念を払拭するメッセージを総理自ら発信する必要があると考えますが、総理の見解を伺います。
答弁
委縮せずに政策立案過程を記録すること、私からもあらためて官僚の皆さまにはお願いしたいと思います。そのうえで、本件で私が最も問題であると考えているのは、総理補佐官と官僚の接触が、内容面でも手続面でも適切であったかどうかです。接触があったことは御本人も認められていますが、そもそも当時の礒崎総理補佐官は国家安全保障及び選挙制度担当の補佐官であり、放送行政を担務とはしていなかったはずです。
本件は、大臣というより、むしろ補佐官と官僚との接触に問題があると考えられます。まず一般論として、補佐官は担務でない事案につき行政組織に指示ができるのか。内閣官房の長であり、行政各部の調整役である官房長官に伺います。
答弁
行政組織に指示はできない、と明確なご答弁をいただきました。そうだとすれば、本件についていえば、担務外の事案について総務省に指示・要求していた補佐官の行為を許していた、官邸のマネジメントに根源的な問題があったのではないかと考えますが、総理の見解を伺います。
答弁
当時の官邸のマネジメントについて、いま一度検証し、現内閣にも生かしていただきたいと思います。
そのうえで、総理補佐官の職務についても現内閣で今一度見直していただきたいと思っています。というのも、岸田総理の補佐官が何をやっているのか、正直、外部からはまったくわかりません。
活動報告が求められておらず、首相動静など報道でも総理との接触が見えてきませんが、それぞれの補佐官に何を求めているのでしょうか。今回の問題を受け、例えば補佐官からも国民への活動報告を義務付けるなど、情報を積極的に開示させるべきではないかと考えますが、総理の見解を伺います。
答弁
義務付けることは考えていないということなんですが、総理補佐官の行動や情報が不透明だからこそその存在意義が国民に伝わらず、今回の放送法の件のように「暗躍する補佐官」という疑惑が生じるのではないでしょうか。重ねてもう一問聞きますけども、補佐官の行動や業務について、国民への説明に資する、そして後に外部から検証可能な公文書や資料というのは残っているんでしょうか?官房長官、いかがでしょうか。
答弁
これ、非常に大事な点だと思うんです。たくさんいる補佐官、これにまつわる公文書はないと。まわりで働いている沢山の官邸スタッフが作っているであろう補佐官関連の資料は、全部公文書ではなく、保存されずに廃棄されると。ここ、地味だけど本丸の一つだと思います。
総理補佐官側、官邸側になんらかの資料が残っていれば、当時の磯崎補佐官の行動によって放送行政にどのような影響があったのか、逆サイドからも検証可能だったはずです。総理、補佐官の関連業務についても、再発防止のために記録と資料を公文書として残すことを強く提案しますが、総理の見解を伺います。
答弁
そして、今回の問題で前向きと申しますか、評価できることがあるとすれば、総理補佐官が権限外事項で官僚と接触をしていたことも、省庁側が記録に残していた点です。これがあったからこそ、政策の意思決定過程が歪められていたかどうかをいま、片面からは検証することができているわけで、繰り返しにはなりますが、官僚の皆さまにはきちんと記録をしていただくことが極めて重要です。
そこで総理、今回の問題をふまえて、国会議員のみならず補佐官のような政治任用職員などからの個別的・具体的要求があったときも、後世の検証にたえるよう、役所側から見た経緯について文書の作成を正規に義務付ける法改正・ルール改正を検討するべきではないかと考えますが、見解をお伺い致します。