坂道ダッシュはとても多くの効果を期待できるトレーニングです。平地を走るより体力がつきますし、カロリー消費量も高いので減量にも向いています。距離や傾斜、あるいは頻度や回数によって意味が変わってきます。さまざまな目的に応じた坂道ダッシュの方法を解説します。

目次
坂道ダッシュを行う意味
坂道ダッシュの目的別メニュー

坂道ダッシュを行う意味

体力をつけたい方必見!坂道ダッシュの効果や正しいトレーニング方法を徹底解説!
(画像=『暮らし〜の』より引用)

坂道ダッシュは見た目にもきつそうなトレーニング。実際にやってみると、足が重くなったり、心臓がバクバク言ったりします。練習後の疲労もかなりのものです。猛練習とか地獄の特訓なんて言葉を連想する人もいるかもしれません。しかし、必ずしも「きつい」イコール「効果がある」とは限らないことは、皆さんもご存知の通りです。

坂道ダッシュを行うことにはどのような意味があるのか? どのような効果があるのか? よくある「?」マークへの答えを列挙してみました。

坂道ダッシュでスタミナはつく?

体力をつけたい方必見!坂道ダッシュの効果や正しいトレーニング方法を徹底解説!
(画像=Photo bygeralt、『暮らし〜の』より引用)

坂道ダッシュは当然ですが、平地を走るより、足にも心肺にもより多くの負荷がかかります。より多くの体力を使いますので、疲労も大きくなります。毎日行うことができるトレーニングではありませんが、ポイント練習として取り入れると、アスリートのスタミナを大きく向上させる効果が期待できます。

ただし、それは同じ距離を同じスピードで走るとすれば、坂道ダッシュは平地を走るよりスタミナアップの効率が良いという意味です。

坂道ダッシュは筋トレになる?

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(画像=Photo bykinkate、『暮らし〜の』より引用)

坂道ダッシュをすると、足や腰など、下半身全体に大きな負荷がかかります。具体的には大腿四頭筋、臀部、ハムストリング、ふくらはぎなどの筋肉群です。どの部位をより効果的に鍛えることができるかは走り方によって異なりますが(下で詳しく説明します)、筋トレ効果を目的として坂道ダッシュを行うことに意味はあります。

もっとも、坂道ダッシュでは通常は筋肉の疲労より先に心肺の疲労が先にやってきますので、筋力向上を優先させたい人は、やはり筋トレを別に行う方が良いでしょう。


坂道ダッシュで減量できる?

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(画像=Photo by HIRAOKA,Yasunobu、『暮らし〜の』より引用)

坂道ダッシュはジョグなどのゆっくりしたペースのランニングより、時間あたりの消費カロリーがはるかに多くなります。従って、減量を目的として坂道ダッシュを行うことには意味はあります。しかし肥満している人には負荷が大きすぎるかもしれません。

毎朝のようにジョグを行うことはさほど難しくありませんが、毎朝のように坂道ダッシュを行うことは、肥満していない人にとっても、かなり困難です。減量するには毎日のカロリー収支がポイントですので、坂道ダッシュ「だけ」では減量には向いていないと言ってよいでしょう。

坂道ダッシュで走り方は良くなる?

体力をつけたい方必見!坂道ダッシュの効果や正しいトレーニング方法を徹底解説!
(画像=Photo byMerchArts、『暮らし〜の』より引用)

坂道ダッシュと言えば、上り坂を連想しがちですが、実は下り坂を走ることにも、身体に効果的な走り方を覚えさせることに大きな意味があります。下り坂でスピードを落とさずに走ろうとすると、ランナーの身体は自然に前傾するからです。

逆に身体を後傾させるとブレーキがかかりますので、スピードも出ませんし、膝や足首に過大な負担がかかります。スキーの直滑降を連想してもらっても良いでしょう。上手なスキーヤーはすねをブーツにくっつけて滑っています。

坂道ダッシュの目的別メニュー

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(画像=Photo bySAM7682、『暮らし〜の』より引用)

体力には様々な側面があります。短距離のスピードを高めることが目的のランナーと、中距離や長距離のスタミナをつけることが目的のランナーでは、要求される体力も、それを高めるためのトレーニングメニューも異なってきます。

坂道ダッシュをトレーニングに取り入れる際には、1回のトレーニングで走る距離やインターバル本数が大きな意味を持つポイントになります。そして週に何回坂道ダッシュを行うかの頻度と回数も長期的なトレーニング計画の中で決めていく必要があります。

坂道インターバル走

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(画像=Photo bypetterijokela、『暮らし〜の』より引用)

通常の坂道インターバル走

100m~300mぐらいの距離がある坂をなるべく速く走って上り、下り坂をゆっくりしたジョグで元の位置に戻ります。それを1セットとして、5~10セットぐらいの本数を繰り返します。短距離や中距離のインターバル走と同じように、心肺能力の向上が第一の目的ですが、臀部やハムストリングスなどの足の部位に大きな負荷をかける筋トレ効果もあります。

かなりきついトレーニングですので、毎日行うことはできません。ポイント練習として週に1,2回程度の頻度と回数で行うのが良いでしょう。

逆の坂道インターバル走

通常の坂道インターバル走とは逆に、下り坂を速く走り、上り坂はゆっくり走るか、歩いても構いません。ここでの目的はよく速く走るための走り方と速いスピードで走る感覚を身体に覚えこませることがポイントで、体力向上は副次的になります。1回あたりのインターバル本数、頻度と回数などは通常の坂道インターバル走と同程度でよいでしょう。

下り坂では心肺機能への負荷は小さくなります。しかし、着地衝撃は大きくなります。太股の前面の部位である大腿二頭筋へ大きな負荷がかかりますので、筋トレ効果もあります。

坂道ロングラン

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(画像=Photo by kevinmklerks、『暮らし〜の』より引用)

坂道ダッシュと呼ぶよりは、ロングランや峠走と呼ぶべきかもしれませんが、坂道を多く含む長い距離のコースを走ることは、特に長距離走のランナーにとっては大きなメリットがあります。

箱根駅伝で上り専用ランナーと下り専用ランナーがいるように、上りと下りでは走り方が異なりますし、求められる体力、そしてメンタルも異なります。その両方を高めるためのトレーニングを別々に行うのは市民ランナーにとっては時間的、体力的にも困難ですので、一度に両方のトレーニングができてしまう坂道ロングランは一石二鳥なのです。

上り坂の目的と走り方

上り坂では心肺機能を高めることと、前に進むパワーを高めることの2つを主な目的とします。重力に逆らって上に向かって走るわけですので、同じ距離を同じスピードで平地を走るより心拍数は上がりますし、足の筋肉への負荷は大きくなります。

筋肉の部位で言えば、上り坂では臀部とハムストリングスが鍛えらえるのですが、これらの筋肉はスピードを出すときに使われる部位ですので、上り坂を走ることで平地でのスピード強化にもつながるのです。従って、長距離だけではなく、短距離や中距離のランナーにもメリットがあります。

下り坂の目的と走り方

下り坂では逆に重力を味方にして走ることになります。ここでの目的はスピードをつける走り方のフォーム習得と着地衝撃に耐える筋力の向上の2つです。

前述した通り、下り坂を走るときの自然な前傾姿勢は平地で速く走るためのフォームに直結します。その意味では、下り坂も長距離だけではなく、短距離や中距離のランナーにもメリットがあります。

またスピードが乗る分、着地衝撃は大きくなります。その衝撃に耐えるのは太股の前面部位である大腿四頭筋です。つまり、この部位を鍛える筋トレ効果も大きいのです。