医学会からの批判

ただ、案の定このコクランさんの発表に対しては、世界中の医師・医療関係者から多くの批判が集まりました。

曰く、

コロナ前の研究が多く含まれていて、コロナに対するマスク効果が正確に反映されていない マスクをした群でもマスクの着用率が低かったのではないか マスクは、「自分が感染しない効果」以上に「周りに感染を広げない効果」が期待される

などなど。

権威ある世界のコクランさんですので、そんな外野の声は無視するのかと思っていたら、なんと今回は大きく反応しました。

編集長の謝罪

コクランの編集長のカーラ氏(Karla Soares-Weiser)が3月10日、コクランの公式ホームページで正式に謝罪したのです。

曰く、「今回の論文は誤解を招く表現がありました。ごめんなさい。いま、著者と相談して修正しています」と(声明本文はこちら)。

医学界は

「ほ~ら、やっぱりコクランさんも訂正した。やっぱりマスクは効果あるんだよ!」

と、大盛りあがり。

しかし、今度はコクランの論文を書いた実際の著者が反発しました。

論文著者の反論

というのも、コクランには編集長もいますが、それとは別に実際に分析して論文を書く「著者」もいるのです。

今回論争になっている最新のマスク論文も、コクランの過去のマスク論文も、実はすべての「著者」がトム・ジェファーソンさんなのですが、

そのトムさんが、こう反論しているのです。

あれは編集長が勝手に謝罪したもので、著作権を持つ著者である私には一切連絡がなかった。編集長は大きな過ちを犯した。彼らは科学者ではない、活動家だ。

BREAKING: Did Cochrane sacrifice its researchers to appease critics? Authors of the latest Cochrane review angered by Cochrane’s capitulation to pressure from critics

なんと…世界的権威のコクランさんも内部で大揉めです…。

我々は何を信じれば良いのか?

世界的権威でエビデンスの総本山「コクラン」さんですら内部で大揉め…。

我々は一体、医学に関して何を信じれば良いのでしょう?

マスクは着けたほうが良いのでしょうか?効果はないのでしょうか?

僕はこう思います。

「専門家同士でも意見が割れて揉めるような、答えがハッキリしない問題は、多分どっちを選んでも個人レベルでは差などわからないレベルということなのだから、どちらを選んでも正解でいいのではないか」

と。

DNAのヒトゲノムなどが解明されてきたので、医学が人間の体を殆ど解き明かしたような気になっている方も多いかもしれませんが、それは端的に言って「幻想」です。高度に発達してきた医学ですが、そんな医学でもまだ殆どの事が解明できていないのです。

人間の健康や病気に対して大きく影響しているのでは?と最近徐々に分かって来た「腸内細菌」ですが、その全貌は殆ど分かっていませんし、その事自体が本格的に研究されだしたのも、つい最近のことです。

「分からないことは分からない。」

のです。

この現実をしっかり受け止め、自分の心や体の声に耳を傾けましょう。

マスクをしたら自分は不快なのか? 快適なのか? 子どもたちへの影響はどうなのか?

そうすることで、「自分にとっての正解」を個人個人が探求していくしかないのではないかと思います。

だって、どんなに医学が発達したところで医学はあくまで確率論でしかものを語りません。決して人生の責任をとってくれません。人生の最終決定権は「自分」にしかないのですから。