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住宅ローンの変動金利を利用するメリット
住宅ローンの変動金利を利用するデメリット
住宅ローンの変動金利を利用するメリット
住宅ローンの金利自体は、変動金利以外にも全期間固定金利や固定期間選択型などもあります。そんな中で変動型の金利を選択するのには、いくつかのメリットがあります。
メリット①金利が低めに設定されている
まず1つ目は、金利が低めに設定されている事にあります。全く同一の時点で別のタイプの金利と比較した場合、一般的には適用される金利が低くなっているケースがほとんどです。よって総支払額に占める利息の割合が少ないので、返済額を抑えることができます。
変動金利は短期プライムレートを基準にして利率が決定されるとご紹介していますが、国内における銀行預金などの利率は非常に低くなっています。プライムレートに関しても、2009年1月分と全く同じで変動が見られていません。
日本銀行の政策金利が極めて低い水準に維持されているために、このような低金利状態が継続している状態となっています。よって、総じて国内の変動金利に適用される利率も低利が続いているという訳です。
メリット②金利が下がれば利息の支払額が減る
もう1つメリットとして挙げられるのが、金利が下がれば利息の支払い額も減るというものです。変動が5年おきに起きるのは間違いありませんが、もしそこで金利が変わらなければこれまでと同じ利率で支払えば済む話です。
金利が下がるような事があれば、その分返済額に占める利率が減少するということになりますので結果として返済額が減るということになります。よって、元から他よりも低金利である事も相まって総返済額を少なくできるという訳です。
先に述べている通り、金融市場では低金利状態が10年以上続いています。今後も国内の金利は低く抑えられた状態が続くと見込まれていますので、しばらくは短期プライムレートも低金利のままと予測されています。
住宅ローンの変動金利を利用するデメリット
金利が変動するという点がやはり大きな肝となっており、下がれば大きなメリットが生じます。しかしこの点は逆も然りと言え、金利が変わるからこそ生じるデメリットも存在しています。
デメリット①金利が上がって支払額が増える可能性がある
その1つ目が、やはりというべきか金利が上昇して支払額が増えるというリスクを孕んでいる事です。金利が変動することによって、下がった場合には利率が下がって支払額が減るというメリットが発生するのは間違いありません。
ですがこの点はリスクも抱えており、変動で利率が上昇すれば当然返済額も増えることとなります。一般的には5年のルールが設けられている変動金利型の商品の場合、その5年間は返済額が変わることはありません。
よって期限経過後にもし金利が上昇するような事があれば、支払額が増えて負担になるというのが最も大きなデメリットとなっています。直前の返済額の最大1.25倍を上限とするルールはあるものの、逆に言えば最大で1.25倍に返済額が増える可能性があるとも言えます。
デメリット②利息の返済が増えて元金が減らなくなる可能性がある
利息が増える影響が出るのは、何も月々の返済額が増えるだけではありません。元金が減らないばかりではなく、利息まで払いきれないという事態も懸念されます。これまでにご紹介した通り、変動金利の上限は最大でも1.25倍までが上限にはなっています。
増える支払額に上限こそ存在してはいますが、これは債権者にとってのメリットではなくデメリットにもなっています。基本的に世の中で限度額を超えた利息を付ける訳にはいかないため、その分元金の返済額を減らす形で調整が行われます。
という事は、毎月の返済額の内利息の占める割合が増え、元金は一向に減らないといった事態が発生する可能性もあるという訳です。返済期間の終了が近づいているのにもかかわらず、元金が全く減っていないというケースもあります。
デメリット③返済期間終了時に未払利息が残る可能性がある
もう1つ、返済期間終了時に未払い利息が残る可能性も考えられます。実際に変動金利の住宅ローンで利息が大きく上昇すると、先に述べた通り最悪の場合毎月の返済額に占める利息の割合が非常に大きくなるケースも想定されます。
結果として利息ばかりが大きく膨れていき、支払いのすべての期間を終えても利息分の全額支払いができないという可能性まであります。あくまでも最悪の場合ではありますが、しかし決して可能性がゼロという訳でもありません。
住宅ローンには、返済期間の延長といった手段が設けられていませんので、残ったとしても月の返済延長は利きません。返済終了しても元金と未払い利息が残った場合、残っている残債を一括で支払うという事態もあり得ます。