目次
ノンフィルターなら早く使い切ることがポイント
エキストラバージンとピュアの違い

ノンフィルターなら早く使い切ることがポイント

抽出された液体は、縦型遠心分離機で水分と油分に分けられます。機械は使わずにしばらく寝かせておくと比重の関係で油と水は分かれるので、その原理を使って油分だけ取り出す方法もあります。

収穫シーズンスタート。 エキストラバージンオリーブオイルってどうやってできるの?
(画像=<できたてのオリーブオイル>、『たびこふれ』より引用)

こうして油分だけになったら、たいていはフィルターをかけて不純物を除去します。ノンフィルターのエキストラバージンオリーブオイルも売っていますが、不純物が混じっているため、フィルターをかけたものよりも品質低下の速度がどうしても早くなってしまいます。ノンフィルターのものを買ったりいただいたりした際は、なるべく早く開封し、一度開けたら2~3週間以内に使い切ることがおすすめです。

収穫シーズンスタート。 エキストラバージンオリーブオイルってどうやってできるの?
(画像=<フィルターをかけたオイルとかけていないオイルのテイスティング>、『たびこふれ』より引用)

フィルターの有無に関わらず最終的にタンクに貯蔵されるわけですが、酸化を防ぐためにステンレス製のものが使われます。タンク内での空気との接触を避けるために窒素を充填することもあるんですよ。なんといっても空気と光、高温は天敵ですから。そして、オーダーが入ったらボトルや缶に充填されて出荷されていきます。

エキストラバージンとピュアの違い

どうでしょう? いくつもの工程を得てはいるものの、基本的にはオリーブの果実を搾っただけということがわかりますね。化学的な工程はひとつもありません。近代的な手法を使っていても、やっていることは数千年から同じなのです。

果実が傷んでいたり搾油方法が正しくないと食用には適さない低品質の油になってしまうので、できあがった油はラボラトリーでの理化学検査分析と訓練された専門家グループによる官能検査分析(テイスティングして欠陥を見つけます)によって等級分けされます。理化学検査結果の数字にもテイスティング結果にもまったく非のないものだけがエキストラバージンを名乗れるのです。

ちなみに多少風味に欠陥があるものはバージン、欠陥がひどく食用には使えないものはランパンテといいます。このランパンテを精製工場に運んで化学的につくられるのがピュアオリーブオイル。精製過程で溶剤の使用や高温にすることで健康に良いとされる成分の多くが消え、無色無味無臭の油になってしまいます。そこにエキストラバージンオリーブオイルやバージンオリーブオイルを少しだけ加えるのです。おいしさや健康を意識するならば、エキストラバージンオリーブオイルを使いたいですね。

収穫シーズンスタート。 エキストラバージンオリーブオイルってどうやってできるの?
(画像=<傷んだ果実でおいしいオイルが搾れないのはジュースと同じ>、『たびこふれ』より引用)