「建設業界」は人員不足により倒産続出

建設業界は、スーパーゼネコンと呼ばれる鹿島建設、大林組、大成建設、清水建設、竹中工務店を筆頭にして、数多くの下請け会社や孫請け会社が乱立するピラミッド型の業界団体である。東京オリンピック以降も、首都圏の再開発や大阪・関西万博(2025年)など、その関連事業はめじろ押しだが、目を凝らしてみると建設業界の内情は少し異なるようだ。

ここ数年の大型案件では、ゼネコン各社は採算を度外視して受注競争に明け暮れてきた。そのしわ寄せが今も続いているのだ。建築資材の高騰や作業員の確保などいまだに解消されず、下請け会社や孫請け会社にもそのしわ寄せが及んでいる。

昨年の建設業の倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は前年比で+12.11%であった。これは、全産業の平均+6.6%の倍近い数字だ。世の中ではインフレを許容するムードも広がっており、うまく時流に乗れなければ、淘汰される建設会社は中小企業を中心に今年も広がるだろう。

インターネットに覇権を握られつつある「テレビ業界」

過去には一家に2〜3台は当たり前にあったテレビだが、今は持っていない人も多いだろう。スマホとネットの普及により、特に若年層のテレビ離れは加速しており、テレビの主なターゲットは60代以降になった。しかし、消費支出の多い30〜50代の層を取れない限り広告主の満足度は上がらない。さらに、ネットの正確な数値管理と比較し、テレビは視聴率という効果測定のしづらいモデルである。これらが相まって、2018年にテレビとインターネットの広告費が逆転し、その流れは加速している。人材流出も激しくどんどんオールドメディアになっていくテレビ業界に、復活の兆しはまだ見えない。

2023年は金利上昇の年?

いつの間にかデフレが永久に続くような感覚に陥っていたが、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、世界的なインフレが円安を伴って日本にも波及することを、身をもって体感した。

インフレが激しい米国では、その対策として2022年3月に0.25%だった政策金利を、同年12月には4.5%にまで引き上げた。日本も他人事だと笑ってはいられない。インフレを抑えるには、金利を引き上げることが常とう手段になるからだ。

もし、日本でもインフレに伴い金利が上昇すれば、実態経済への影響も避けられない。有利子負債の大きな会社は、倒産の憂き目に遭うことだって考えられる。2022年はインフレの1年だったが、2023年は金利上昇の年となるだろう。

文・MONEY TIMES編集部