2022年はインフレが家計を直撃した1年だった。光熱費やガソリン代、スーパーの食材など、多くのモノが値上げされ、その傾向は今しばらく続きそうだ。企業にとっても、人件費や原材料費の高騰は今年も頭の痛い問題だ。今回は特に苦戦が強いられる業界をピックアップして、その内情を検証する。
ドライバーの労務管理が課題の「運送業界」
インターネットで注文した商品が、翌日自宅に届くことが当たり前になってきた。宅配便が昼夜を問わず町中を走り回り、ここ数年でネット通販がより身近な世の中となった。
一方で、以前よりドライバーの労務管理が難しいことが指摘されている。消費者への過剰なサービスが、逆に企業の収益を圧迫しているのが現状だ。
昨年の産業別企業倒産件数(東京商工リサーチ調べ)を見ると、全産業の平均が+6.6%(前年比)であるのに対して、運輸業は35.56%(前年比)と倒産件数が突出している。労働環境に配慮しながらドライバーの効率化を図らなければ、今年も厳しい現実が待ち受けているだろう。