2023年に飲食店が取り組むべきWebマーケティング施策6選
まず、ネット予約数を増やすには訪問者数(ユーザー数)と予約率(CVR)をどちらも増やすことが重要です。つまり、ユーザー数を増やすための「ネット導線の整備」と予約率を上げるための「空席在庫情報の精度向上」の両方の施策が必要になります。
このことを踏まえて、2023年に飲食店が取り組むべきWebマーケティング6大施策をご紹介します。
①ダイレクト予約の比率を上げていく
飲食店の探し方が大きく変わっていることを上述しましたが、現時点でネット予約のシェアの約70%がグルメサイト経由です。探し方は多様化していますが、ネット予約する局面ではグルメサイトを使っている消費者が多いのが事実です。
グルメサイトは従量課金がかかりますが、とりわけ新規集客という観点での投資対効果は決して悪くないので、グルメサイトを有効活用することをおすすめします。
店舗がターゲットとするお客様の利用シーンや顧客単価をイメージしながら、いくつかのグルメサイトを選択し、集客力や投資対効果を見ながら継続的に見直しをかけていくことを推奨しています。
一方で中期的にお店の集客力を上げていくためには、同時にグルメサイトだけに頼らない仕組みを作る必要があります。そのために、グルメサイトとダイレクト予約(※)の最適なバランスを模索していくことが重要です。
後述するCRM施策と合わせて「新規来店→リピート来店→常連化」の流れを作り、「予約総数」を増やしながら、その中で「ダイレクト予約」の比率を上げていくことを目指します。ですが、最適なダイレクト予約の比率は業態や席数によっても異なります。
やみくもにダイレクト予約比率100%を目指すのではなく、あくまでも売上/利益最大化のための参考指標として捉えることが大切です。
事例:https://www.ebica.jp/casestudy/nine/
※ネット予約において手数料がかからないサイトからの直接予約
②GoogleやInstagramと連携
中期的視点でネット予約の投資対効果を最大化するためにはオウンドメディア施策が重要になります。
ネット予約が電話予約と同じくらいのボリュームになると、店舗オープン時に電話回線を引くのと同様に、ネット予約の仕組みを整えることが当たり前になります。
店舗公式サイトなどを含むオウンドメディア施策が目指すべきゴールは、従量課金は従量課金がかからない「ダイレクト予約」の比率を増やすことです。店舗公式サイトには自前の予約フォームを設置し、お客様が外部サイトに離脱しないようにするための工夫が必要です。
また、店舗の発見性を高めるためには閲覧数の多い導線との連携を強化することが有効です。後述するインバウンド集客も含めて考えるとGoogle連携は外せません。
「Google ビジネスプロフィール」「Google マップ」「Google で予約」などの機能をフル活用し「ダイレクト予約」を増やすことは、とてもコストパフォーマンスの高い施策になります。
その他、現時点では予約の絶対数は多くありませんが、20代を中心に写真や動画を使った検索が一般的になりつつありますので、今後はInstagramなどのSNS活用も要検討です。
③AI電話予約応対サービスを活用
外食Webマーケティングを考える上で避けて通れないのが、未だ50%を占める電話予約への対応です。予約電話の約60%はお店にスタッフが不在だったり、接客で忙しいピークタイムにかかってきたりします。
出られない電話は機会損失になるだけではなく、お客様満足度の低下にもつながります。「ebica」事業をはじめてから約10年、私たちは解決策を模索しました。
そこで、人手不足を補いながら予約を最大化し、電話からネット予約への移行を促進するという要件を満たすサービスが世の中になかったので、私たちはLINEのAIカンパニーと共同開発で新たなサービス「AIレセプション」を開発しました。
日本最高峰のAI技術を使ったAIスタッフ「さゆり」がまるで人と話しているような自然な会話の中で電話に応対し、電話予約をデジタル変換して予約システムに登録します。2020年10月のリリースからアップデートを重ね2年間で約100万件以上の予約電話に応対してきました。
「AIレセプション」をネット予約と併用することで予約管理業務がほぼ自動化します。
電話応対をAIスタッフ「さゆり」 に任せることで、予約電話の取り逃がしによる機会損失を防げるのと同時に、スタッフが調理や接客など人にしかできない仕事に集中できるようになります。
④LINE公式アカウントを活用
新規顧客を獲得するためには、既存顧客の5倍のコストがかかると言われます。飲食店にとって、あししげくお店に通ってくれるだけでなく、新しいお客様を連れてきてくれる常連客はとてもありがたい存在です。
コロナ禍で集客手段が限られる中、お店とつながっているお客様に対して、リピーター向け特別プランを配信するCRM施策があらためて脚光を浴びました。様々なCRMツールがありますが、小規模店舗でも初期費用をかけずに手軽にはじめられる点では「LINE公式アカウント」がおすすめです。
「LINEで予約」機能を連携させると、リピーター向けに便利なネット予約サービスを提供することができます。お店のプロフィール情報を更新して、友だちを増やし、PUSH配信をするというサイクルを根気よく継続していくことで、リピーターからの「ダイレクト予約」が増えていきます。
LINEは日本全国の老若男女に最も使われているコミュニケーションアプリなので、エリアや世代に関わらず効果が見込めることも大きな魅力です。
事例:https://www.ebica.jp/casestudy/yakinikuclub/
⑤Google・大衆点評と連携(インバウンド対策)
2022年10月からついに入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。コロナの影響で姿を消した訪日外国人観光客が2022年12月には100万人以上にまで回復しました。
観光庁は引き続き「2030年、訪日外国人旅行者数6,000万人に」という目標を掲げています。エリアによってはすでに多くの訪日外国人が訪れているところもあり「インバウンド対策」への注目が高まっています。
観光客でも、2019年の訪日外国人の83%は団体ツアーではなく、航空券もホテルも自分で手配して旅行をする個人旅行客(FIT)です。
FITは飲食店も「旅ナカ」でネット検索して探します。また、訪日観光客の約30%は訪日中国人なので中国向けのPRは欠かせません。
飲食店が無料ではじめられるインバウンド対策として推奨しているのが、Googleに加えて中国最大の口コミサイトである「大衆点評」に、まずはネット予約導線を設置することです。
更に踏み込んで、インバウンド専用のコースを作り主要なOnline Travel Agent(OTA)に配信すると、OTA側で事前決済するのでノーショーリスクが低減されたり、おすすめ料理を全て食べてもらうことで満足度、ひいては顧客単価を上げたりすることができるというメリットがあります。
⑥サイトコントローラーで直前予約を可能に
上述した5つの施策を通じてネット予約を最大化するためには、サイトコントローラーと呼ばれるツールを使って、お店の空席在庫(最新の空席情報)を24時間365日リアルタイムに更新し続けることが不可欠です。
サイトコントローラーは外食業界よりも一足先にデジタルマーケティングが普及したホテル業界では15年以上前から普及しているツールです。
当社は2014年から飲食店予約管理に特化したグルメサイトコントローラーを開発・運営しています。あるサイトから予約が入った際に、お店の予約システムに予約情報を転記するのと同時に、連携している全てのネット導線に最新の空席在庫を上書き更新することができます。
飲食店がサイトコントローラーを活用すると、消費者ニーズの高い直前予約を開放してもダブルブッキングの心配なく、全てのネット導線のCVRを上げることが可能です。
先日も、「食べログ」との連携強化をニュースリリースしましたが、「ebica」は国内の主要なグルメサイトと公式連携しています。
今後も有力な予約導線になる国内外のサイトと密に連携をして消費者の利便性を上げることで、外食Webマーケティングの更なる進化に寄与していきたい考えです。