本記事は、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社(以下、シェルパ・アンド・カンパニー)代表取締役CEOである杉本淳氏による寄稿記事です。
グローバル・ブレインら5VCから資金調達を実施
私たち、シェルパ・アンド・カンパニーは、2022年5月にESG情報開示支援クラウド「SmartESG」の提供を開始し、シードラウンドで6,000万円の資金調達を実施して以降、日本におけるESG情報開示支援クラウドのフロントランナーとして事業を拡大してきました。
同年11月の正式版リリース以降、導入企業の時価総額合計は約15兆円を超え、急激な成長を続けています。
その中で得られた確かな市場ニーズの取り込みと、新たな挑戦を行うべく、本ラウンドにおいて総額2.6億円を調達しました。今回の調達により累計調達額は3.2億円に到達しています。
引受先は、グローバル・ブレイン、グローバル・ブレインが運営する農林中金イノベーション投資事業有限責任組合、ジェネシア・ベンチャーズ、三菱UFJキャピタル、みずほキャピタルの5社となります。
今後は、人事系のデータなどこれまで収集が難しかった非財務情報を集計・分析する機能や、AI・機械学習を用いたESG評価を向上させる技術開発への投資を加速するとともに、サービス拡大のための人材採用を強化していきます。
ESG情報開示が必要になっている背景
では、なぜここまでESGというのが注目されているのでしょうか。ここではESGが必要になっている背景について説明したいと思います。
現在、未曾有の危機に瀕する地球環境や、COVID-19が浮き彫りにした格差・人権問題は、今日の企業・ステークホルダー・個々人のあり方に大きな影響を与えています。
これらの地球規模の問題を解決し、社会経済システムを持続可能にするために、サステナビリティの推進が共通命題となり、具体的な17の目標としてSDGsが定められました。
SDGsは世界全体の目標であり、主体は国連や国家、企業から各個人まで広範に及びますが、その中でも投資家や企業を主体としたSDGs達成の取り組みの一つとしてESGが存在します。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を合わせた言葉で、2006年に国連が発表した責任投資原則(PRI)により広まりました。
ESGには「環境や社会、企業統治に注力する企業ほど中長期的に企業価値が向上する。」という考えが根底にあります。
このような言葉が生まれた背景として、企業や投資家が中長期的な価値向上を目指すにあたって、事業が環境や社会に与える影響や、環境や社会の変化により事業が影響を受ける可能性を無視できなくなっていることが挙げられます。
「ESG経営」へのシフトはグローバルで急速に進んでおり、日本企業にも変化が期待されています。
株主を中心とする主要なステークホルダーにESG情報を開示し、中長期目線で経済的・社会的価値の統合・実証に取り組むことで、企業はESG経営のメリットを最大限享受することが可能になります。