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荷物の重さは20㎏
子の手を握り、妻に見送られ

荷物の重さは20㎏

アラフィフチャリダーが行く!北海道小旅行【第一夜】
(画像=撮影:ライター,『暮らし〜の』より 引用)

登山やキャンプなど、アウトドアの荷物は軽さが正義だ。

それは、荷物を自転車に積む場合でも変わらない。

前回の北海道縦断では食費の節約のため、米を持って行った。

米を持って行くと必然的に水も必要になり、おかずも持たなければいけない。

結果的に当時の荷物の重さは20㎏になった。

その反省を踏まえ、今回はパスタを持って行くことにした。

パスタなら米より軽く、少ない水で済む。米と同じく炭水化物を摂取できる。

ソースを工夫すれば栄養バランスもとりやすい。

と思ったら、妻が「これ缶詰持って行ったら?これレトルトのハヤシライスもあるよ」と心配してくれる。

妻の気持ちを断るのもアレだと思い、全部つめ込んだら結局荷物の重さは20㎏になった。

こうして僕は家族の重い想いをバッグにつめ込んで、自分の思いと向き合うために再び旅に出る。

子の手を握り、妻に見送られ

アラフィフチャリダーが行く!北海道小旅行【第一夜】
(画像=Photo byPexels こちらの画像はイメージです,『暮らし〜の』より 引用)

8月でも北海道の朝はどことなくヒンヤリしている。

いつもはコーヒーを落とすのだが、道具をバッグに入れてしまったので今日はインスタントコーヒー。

準備をしていると「ん…行くの…」と妻が片目をあける。

モンベルのトレッキングパンツと化繊のシャツに着替えてからベッドで丸くなっている息子の手を握った。

北海道を縦断したときはまだ幼く、母親と寝ていたが、いまではベッドから脚がはみ出しそうだ。

それでも「いってらっしゃい、気を付けてね」とささやく息子の声はあの頃の面影を残す

家族を起こさないように静かにドアノブをひねる。

自転車にパニアバックをセットしていると「寒いね」と言いながら妻がパジャマのまま出てきた。

「しばらく家空けるけど、たのむね」「楽しんできて」「行ってきます」

妻とひと時の別れの言葉を交わし、旅が始まる。