彫るではなく「掘る」
つなぎ美術館の集合場所に行くと

すでに参加者分の準備ができていました。

このノミで彫って行きます。

各自に木槌とノミとクスノキが渡されました。クスノキは彫ると、いい香りを放ちます。(防虫剤のような匂い)

参加者全員で津奈木町のプロモーション映像を、役場の方の解説付きで見ます。ツアーっぽいのはここまで。

早速、達仏彫りの注意事項説明に入ります。
今回、いろいろとご指導いただくのは

彫刻家の森英顕先生です。
森先生「ノミでガシガシ木を削っていきますが、とにかく怪我だけはしないようにお願いします。仏様はお配りした木の中に眠ってらっしゃいます。それを掘(彫)り起こすのが仏像作りです」
出た、どっかできいたことある名言。

まず自分がイメージする仏様を描き起こします。
でも…仏像って彫ったことないから、いざ書けと言われてもなぁ。
森先生「そんなに考えないで!手を合わせていれば、なんとなく仏像に見えます!」
なんてザックリかつ的確な指導なんでしょう!!感動しました。

次に、木に直接マジックで大まかなデザインを描き込みます。お隣の女性はスマホで仏像を検索してます。

これではなんのこっちゃわからないかもしれませんが、まずは刃を入れて前に進めることが大事。人生と一緒。
設計図を描いたら、とりあえず前に1歩踏み出してみる!
踏み出したとて茨の道

ノコギリでいらないと思われる部分を大胆に切って行きます。

そのあとは、ノミで粗めに形作りを行います。

しかしながら、ほぼ初めて使うノミ。なかなか上手くは彫れません。
この時点で悟りました。
6時間かかるかも!

迷った時は先人の教えを素直に乞うのが一番です、正しい道に導いてくださいます。

始まって1時間で全員無言。「没頭」しています。ノミを叩くゴン!ゴン!という音だけが室内に轟きます。

ノミって一気に彫れるものではなく、コツコツ削っていく感じなんですね。知らずに力任せに叩き込んでしまったら
バキ!!!

削りたくない部分に至るまで割れてしましました。
きっと、私が思い描いた仏像と、この木に眠ってる仏像の形が違ったのでしょう。彫るのではなく掘り出す…心穏やかじゃないとできない所業。


ここで気づきました。
誰も他人の作品など気にしていない(正確に言うとそんな余裕がない)。
自分の仏像を彫るのに
没頭!
没頭!
圧倒的没頭!である。
これだ、日常に足りてなかったものは!どうしよう、めっちゃ楽しい
「ハーーイそれでは、皆さんお昼にしましょう」
と言われたのが彫り始めて2時間後だったのですが、体感時間30分程度でした。