ビジネススーツなどでネクタイを使用するシーンは様々ありますが、レジメンタルタイというものが存在しているのをご存じでしょうか?定番の柄のネクタイとして広く普及しています。今回はそんなレジメンタルタイがどんなネクタイなのかや、コーディネート例などをご紹介します。
目次
レジメンタルタイとはどんなネクタイ?
レジメンタルタイの選び方のポイント
レジメンタルタイとはどんなネクタイ?
現在日常的に使っているネクタイは、どんな柄のものでしょうか?柄なしのものなども広く使われていますが、レジメンタルタイは誰もが見た事、使った事のあるであろう柄のネクタイです。
レジメンタルタイの名前の意味
ビジネスやパーティーへの出席などで使用するネクタイと言えば、斜めのストライプのものがよくイメージされるでしょう。反対に縦のストライプや、真横にストライプが入っているものは稀です。
斜めのストライプが入っている、よく見られるものこそがレジメンタルタイであり、定番のネクタイの柄としてビジネス用などでも非常に広く普及しています。
そもそもレジメンタルというのは「連帯」という意味を持っていて、この連帯と言えば連帯責任などの単語が思い浮かぶでしょう。すなわち自分が所属している組織との連携やつながりなどを意味しています。
裁断をする前の織物の状態ではまだストライプが斜めに入っている訳ではなく、バイアス裁断と言って斜めに裁断を行うことによって結果的に斜めの形のストライプが形成されているという訳です。
レジメンタルタイの歴史
日本のビジネス用ネクタイなどでも今や広く普及しているレジメンタルタイですが、正式名称を知らなかった方も多いでしょうし、そもそも正式な名称が存在している事すら知らなくともおかしくはありません。
元々は英国、イギリスの軍旗を源流にしているとされていて、英国の陸軍が統制を変化したといわれている16、7世紀ごろにまでさかのぼりますが、当時の陸軍では連隊それぞれで異なる色の斜めストライプのネクタイを着用し始めていました。
これをレジメンタル、つまり連隊のネクタイとして呼ぶようになったのが起源であり、19世紀ごろに国内の名門大学が軍に倣って採用し始めました。現在でも、レジメンタルタイの色によって出自を表すという風習は続いています。
英国式と米国式の特徴
元をたどった時には英国の軍隊が源流になっているのは間違いありませんが、ネクタイの方式としては英国式と米国式の2種類が存在します。実はレジメンタルタイには、右肩上がりと右肩下がりの2種が存在しているのです。
ネクタイを正面から見た際に右肩上がり、つまりカタカナの「ノ」の方向に上がっているストライプは英国式と呼ばれていて、逆に右肩下がりになっているものは米国式と呼称されます。
向きが逆になっている米国式はリバースとも呼称されていて、米国式の方の誕生の経緯は諸説あるものの、1920年頃に訪米した英国皇太子ウインザー公が来日した際に着用していたレジメンタルタイが新鮮で反響を呼んだと言われています。
レジメンタルタイの選び方のポイント
この様に、我々が知らない中でも自然とレジメンタルタイは普及し使用していたのです。すっかり普及しているのでビジネスなどで着用しても何ら違和感はないでしょうが、着こなしたいのならば選び方のポイントを押さえましょう。
選び方①ストライプの色数
まず見るべきは、ストライプの色数についてです。基本的には、レジメンタルタイに使用されている色数が多くなるのに比例して、コーディネートに合わせる際にも困難、つまり合う服装が限られてくると言われます。
特にビジネスの場で使用するのを想定した時、あまりにも色数が多いカラフル過ぎるものを選択すると場に合わないコーディネートになってしまうのは想像しやすいでしょう。
無難に使いたいのなら、ストライプカラーの一部及びコーディネートの中に共通の色を持たせることで、全体に統一感が生まれます。シンプルなカラーのタイは、無駄に主張し過ぎず誠実さを感じさせてくれます。
選び方②ストライプの幅
続いては、ストライプの幅です。ネクタイにあるストライプの幅によってみる人が受ける印象やトータルのコーディネートの変化は大きくなり、基本的に幅が太くなるのに比例してカジュアル度合いが高くなります。
その為、ビジネスシーンで使用する場合には幅が太めのストライプのレジメンタルタイは控えるべきと言えます。逆に幅と色差を極力抑えたツイル柄と呼ばれているものもあり、これをレジメンタルタイと呼ぶべきかは議論が分かれる部分でもあります。
遠目から見ても帰属が分かるというのがレジメンタルの持っている意味であり、幅の狭いものであればどんな場に使用しても問題ないでしょう。
選び方③Vゾーンのバランスを考える
もう1つ、Vゾーンのバランスについても考えてみましょう。ネクタイが全体に占めている面積は決して広いものではありませんが、首元辺りのVゾーンのイメージが全体のコーディネートの印象に与える変化は小さいものではありません。
ストライプが斜めに走っているレジメンタルタイは、他のアイテムとの縦横の迎合が無く良い意味で違和感が発生します。それゆえに目に留まりやすく、コーディネートにおけるポイントとして映えてくれます。