- プリビナ(血管収縮薬)
「鼻詰まりをなんとかしたい!」 そんなこともありますよね。
そんな時に『即効性』が期待できる薬、それがこちら『血管収縮薬』です。
僕も鼻炎持ちでしてよく鼻が詰まってしゃべりにくくなります。講演の前などはとても困るのでよく使っています。個人差はあると思いますが、僕の場合1〜2分でスッキリ効いてくれます。
ただ、連用すると逆に症状が悪化したり、副作用が出やすくなったりしますのでご注意を(添付文書には3.3日以上の連用はダメ、と書いてあります。)
<プリビナ(塩酸ナファゾリン)>
こちらは病院でもよく使われています。特に、鼻から入れる胃カメラの前処置として使われることが多いですね。これを点鼻すると鼻づまりが解消される=鼻腔が広がるので、胃カメラを鼻に入れやすくなるのです。ま、つまりそれくらい即効性があって、効果もある(その分連用はダメ)という薬です。
こちら『ナザールスプレー』は、病院で使われる『プリビナ』と同じ成分「塩酸ナファゾリン」が同濃度入っております。(なお、こちらは塩酸ナファゾリンの単剤ではなく、他の薬効成分も含有されております。あと、ステロイド剤の「ナザールαAR」と同じ「ナザール」という名前ですが、全く別の成分ですのでご注意ください。)
<ナザール「スプレー」>
以上、【2023年最新版】医師直伝!実は市販薬にある『医者が出す花粉症の薬』 10選でした!
最後に実は薬の効果には個人差が大きくあります。かなり効く人もいれば全然効かない人も。
ですので、「薬を飲んでいる安心感」にもまして重要なのは、「自分で薬の効果をしっかり確認する」ことです。飲んだ日時、症状が出た時間、症状が収まっている時間、また飲まなかった日はどうだったか。こういうことを記録していくと、自分にとっての薬の効き具合と、本当にこの薬が必要なのか、どうなのか、他の薬のほうがいいのか?などがより分かると思います。
セルフメディケーションと言うのは「自己管理」を前提にした「自己服薬」の意ですが、それが発展して「専門家への依存(医師にお任せ)からの脱却=市民の自立」というところまで意味するようになるといいな〜、と思っています。近所のかかりつけ薬局やかかりつけ薬剤師と相談しながら市販薬を使うとより効果的かもしれませんね。もちろん、かかりつけ医や、お近くのかかりつけ医・家庭医・プライマリケア医にご相談くださっても結構です。
最後に ②医師なのに病院の処方薬を勧めずに市販薬を勧めるとはどういうことですか? という質問をよく受けます。
実は、医師法第1条にはこう書いてあります。
医師は医療および保健指導を掌ることによって公衆衛生の向上および増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする
つまり、医師の本分は国民の健康な生活を確保することであって、手術も高度医療も専門知識も病院医療も在宅医療も、国民の健康な生活を確保するための道具でしかないわけです。そういう意味では、処方薬でも市販薬でも国民の皆様の健康に役立つものであればどちらでも構わないのです。
海外の家庭医はビジネスとして医療を提供することが少ないので、処方箋を出さずに「薬局でこの薬を買ってくださいね」とか、「次に同じことでお困りのときは薬局でこの薬を‥」と勧めることも多いんですけどね。
もちろん、一般の方が市販薬を使うことによるリスクもあります。しかし、上手に使えばそのリスクを上回る利便性が見込めることもあります。医療機関の金銭的な利益に惑わされず、そうした提示をすることを厭わないことを旨としたい、僕はそんなふうに考えています。