ドイツの首都であり、アーティストやクリエイターが多く暮らし、芸術的、文化的な都市ベルリン。現在のベルリンに憧れて渡航を考えているという方もいれば、かの「ベルリンの壁」を見るために、ドイツ旅行の道中でベルリンを訪れたいという人も多いのではないでしょうか? ただ、ドイツに限らず海外旅行先では、治安のいい日本と同じ感覚でいると、思わぬトラブルや危険に遭遇する可能性があるのも事実。ベルリンを観光する際にも、治安に関するポイントを押さえておけば、安全に過ごしやすくなるでしょう。 この記事では、ベルリンに長期滞在した経験のある筆者が、実際に見たことや経験したことをもとに、初めてベルリンを訪れる方にも安全に楽しんでいただけるよう、そのコツをご紹介します。

目次
<1. ドイツ(ベルリン)はどんな場所?>
<2. ドイツ(ベルリン)はどんな人が住んでいる?>

<1. ドイツ(ベルリン)はどんな場所?>

ドイツ(ベルリン)旅行の治安は?現地滞在だから分かることも徹底解説!
(画像=<撮影:Sayuri Suzuki>、『たびこふれ』より 引用)

ドイツの中でベルリンの治安は悪くはありませんが、日本に比べると決して良いとは言えません。スリや置き引きなどの被害も発生していますし、薬物売買が行われていることもあります。しかしながら、その多くは事前の安全対策と心構えで、防ぐことができます。 まずはベルリンがどのような都市なのか、概要をご紹介していきましょう。

1.1 ベルリンはドイツのどこにある?

ベルリンはドイツ北東部に位置し、人口約357.4万人(2018年時点)とドイツ最大規模の都市であり、ドイツの首都です。市内には、複数の観光地が点在しています。ベルリンで最も有名な観光スポットといえば「ベルリンの壁」。ベルリンの壁が、人々に壊される映像をTVなどで見たことがある人も多いのではないでしょうか?

ベルリンの壁は1961年から1989年まで、ベルリンを東西に分断していました。第二次世界大戦後、敗戦国であるドイツは、東ドイツをソ連に、西ドイツをアメリカ・フランス・イギリスによって統治されていました。 東ドイツに位置するベルリンは、更に東ベルリンをソ連が、西ベルリンをアメリカ・フランス・イギリスが統治していました。そのため、ベルリンを東西に分断するために、一夜にして建設されたのがベルリンの壁です。ベルリンの壁建設以降、ベルリンでは東西を行き来することができませんでした。

その後、1989年にベルリンの壁が市民によって壊されたことで「ベルリンの壁崩壊」が訪れ、1990年に東西統一が実現しました。現在は、その一部が冷戦時代の象徴として残され、観光スポットとして多くの観光客が訪れています。 特に有名なのが、シュプレー川沿いに1.3kmに渡り続く「イーストサイドギャラリー」です。ベルリンの壁崩壊後、アーティストたちが壁画を描いた壁は見ているだけでも楽しくなります。 「ベルリンの壁」と同じく、東西統一の象徴である「ブランデンブルク門」も観光スポットの1つです。ベルリンの中心部には、「ベルリン大聖堂」や「博物館島」、「赤の市庁舎」、「テレビ塔」などがの観光スポットが集中しています。

「コンツェルトハウス・ベルリン」と、2つの教会に3方向を囲まれた「ジャンダルメンマルクト」という広場には、冬場にクリスマスマーケットが開かれて、たくさんの人々が集まります。ヨーロッパらしい街並みの近代的な建物、アートが融合するベルリンは、見どころ十分です。

イーストサイドギャラリーの基本情報

  • 名前:イーストサイドギャラリー(East Side Gallery)
  • 住所:Mühlenstraße 3-100, 10243 Berlin

1.2 ベルリンはアートやクリエイティブが集まる場所

ベルリンはベルリンの壁崩壊後、感度の高い人々が集まる都市として人気を集めています。特にアートやデザイン、音楽の仕事に携わるアーティストやクリエイターが多く集まります。ベルリンの街を歩いてみると、建物の壁に絵が描かれていたり、展示会が行われていることもちらほら。気になる展示を見つけたら、思い切って飛び込んでみてはいかがでしょうか?

アートな都市ベルリンは、ナイトアクティビティを楽しむために、世界中から音楽やイベント好きな人々が観光に訪れます。大きさも雰囲気も異なる様々なクラブがたくさんあり、週末にはオールナイトで営業しているお店もあります。 クラブによっては、入場条件が厳しいところもあるため、ナイトアクティビティを楽しみたい方は店舗に合わせた服装を用意しましょう。

<2. ドイツ(ベルリン)はどんな人が住んでいる?>

ドイツ(ベルリン)旅行の治安は?現地滞在だから分かることも徹底解説!
(画像=<撮影:Sayuri Suzuki>,『たびこふれ』より 引用)

この項目では2018年時点のデータを元に、ベルリンの人口構成や飲食店の種類、服装や言語といった都市の傾向についてご紹介します。

2.1 ベルリンの人口統計について

先述の通りベルリンの人口は2018年時点で約357.4万人、年齢構成としては25~44歳という働き盛りの世代が最も比率が高くなっています。また、人口全体のうち約20%が他国出身者であり、ベルリンは移民の多い都市と言えるでしょう。他国出身のうち、トルコ、ポーランド、シリア出身の人が多くを占めます。

2.2 ベルリンにいたときの人々の様子

2020年4月時点の印象としては、地域によって年齢層は多少異なりますが20~30代の人が多く、週末には子ども連れで楽しむファミリーが多く見られました。ベルリンには、様々な人種の人々が生活している都市なため、街中を歩いたり電車に乗ったりしていても、日本人が特に目立つということはありません。

また、住民に合わせてレストランも多国籍です。いわゆるドイツ料理のお店はかえって少なく、トルコ発祥のケバブのお店やベトナム料理なども人気です。ベジタリアンやヴィーガンといった文化も一般的で、レストランに入るとヴィーガンと書かれた料理があることも当たり前のように存在しています。

続いては言語について。ドイツの共通言語はドイツ語ですがベルリンは移民が多いため、英語が通じる場所が多いのが特徴です。特に若い世代の人たちは英語を話せる人が多く、お店でも最初から英語で話しかけられることも多いです。レストランやカフェでは、ドイツ語メニューと英語メニューの両方があります。

最後は服装について傾向をご紹介しましょう。ベルリンはアートな都市ではありますが、服装は全体的に黒を貴重にしており、シックな印象です。寒い冬は、ロングコートやロングブーツを着用する人が多く、ファッションよりも機能性を重視する傾向があります。 クリエイティブな職種の人が集まるためか、ベルリンではスーツを着用したいわゆるビジネスマンと思われる人を見かけることは非常に稀。オフィスに勤務する人も、自由な服装規定であることが多い印象です。