任天堂株式会社が2023年2月9日に、Nintendo Switch Onlineにて「ゲームボーイ Nintendo Switch Online」、「ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online」を配信開始しましたが、タイトルラインナップに懐かしさを感じてしまったのは筆者だけではないはずです。
ゲームボーイは1989年4月21日に販売開始された携帯ゲーム機で、筆者はまだ中学生のみぎり……こぞってこの新発売の新型携帯ゲーム機を学校に持ってきて休み時間に遊んでいた時期がありました。
2月9日に配信開始となったタイトルにはゲームボーイ屈指の名作である「テトリス」、「レッドアリーマー」をはじめ、ゲームボーイカラーの作品「ゼルダの伝説 夢を見る島DX」、「ワリオランド3」などが用意されました。
対してゲームボーイアドバンスは、2001年3月21日に発売。1989年のゲームボーイから数えて実に12年ぶりの完全新型機でした。ゲームボーイ、ゲームボーイカラーとの互換性を有しながら携帯機としては当時破格の性能を持って登場しています。
こちらは「メイドインワリオ」や「マリオ&ルイージRPG」などが用意されています。
■ ゲーム機老人会の筆者が懐かしさとともに軽くプレイ
今回はゲームボーイ Nintendo Switch Onlineをインターネット老人会どころか、ゲーム機老人会クラスの筆者が懐かしさと共に軽くプレイをしてみましたので体験レビューを書かせていただきます。
■ 当時の思い出「電池はマンガン」「電池チェッカー」
個人的に「ゲームボーイの思い出」というと筆者はまず「白黒画面」と「電池切れ」の2つなのですが、最近のスマートフォンや携帯機(それこそSwitchもですけど)はバッテリーの持ちが非常に良くなっており「技術の進歩ってスッゲーな!」とか思っちゃったりしています。
当時はアルカリ電池も子どもの小遣いで買うには割と高額で、家に余っていたマンガン電池を入れて「すぐ電池切れた!」ってやったり、電池チェッカーで残り残量を計測したりしながらゲームボーイに投入していたりしました。同世代でゲームボーイをやっていた人たちは、大体同じ経験をおもちなのでは?
なおゲームボーイの稼働時間はアルカリ電池使用時に約35時間、マンガン電池では約15時間となっていますので、今のゲーム機がどれだけバッテリーが持つかという証明になっているかもしれません。
当時はこういうゲーム良く遊んでいたなあ……と思うのと、電池切れの恐怖に怯えなくていいんだなという、ちょっと別の感慨深いものを感じてしまいました。
アダプター繋げたままのプレイもしなくていいんですよね……時代は変わったなあ。
■ 「ベースボール」もあるといいな……
今回配信された中でゲームボーイのローンチ時に発売開始されたタイトルは「役満」のみ。
個人的には同じローンチタイトルの「ベースボール」も遊びたかったな、と思ってしまいました。これも当時ワクワクしながら少し硬い感触の電源スイッチを入れていた少年少女なら共感して貰えるのではないでしょうか。
■ 思い出タイトルは「テトリス」と「ゼルダの伝説」
筆者が最もゲームボーイの中で思い出深いタイトルは「テトリス」と「ゼルダの伝説」。今回はこの2つを軽く体験してみます。
「テトリス」はゲームボーイ発売から2か月後の6月に販売開始されたタイトルで、売り上げ総数は424万本に達した化け物タイトルです。
ちなみにこのテトリスはソビエト連邦の科学者だったアレクセイ・パジトノフが考案したパズルゲームの総称。そんなこともあってBGMがロシア民謡のカチューシャを使っていたりもします。
さて、久々のプレイで思ったのですが筆者パズルゲーム向いてないな……という当時も思っていたことを再認識させられる事態に陥りました。
基本的にはテトリスのルールは単純で、落ちてくるブロックを回転させて横のラインを完成させ、ブロックを消滅させていきます。
熟練のプレイヤーになればなるほど次のブロックを想定したプレイになるのですが、筆者は目の前のブロックを見て「うーん、これはここにおいた方が……」と悩みながらやってしまうので、気がついたらラインを作るどころか積み上げてしまう結果に。
久々にプレイしてみて、シンプルなゲームシステムがゆえの奥深さを改めて感じました。
■ 懐かしさでちょっと涙が出そうに……
さて次は「ゼルダの伝説 夢を見る島DX」。ゲームボーイにて1993年に販売開始されたタイトルで、今回収録されているカラー対応版は1998年に登場しています。
さらに2019年9月には、ニンテンドーSwitchにリメイク版も登場しており、本当に長年愛されているタイトルの一つです。
スーパーファミコン版として1991年に登場した「ゼルダの伝説 神々のトライフォース」の後日譚に当たるストーリーを持っており、もし遊ぶのであれば同じく「スーパーファミコン Nintendo Switch Online」に同作が配信されていますので先にそちらを遊んでも良いのかもしれませんね。
ストーリーは剣の修行で旅を続けていたリンクが海を渡っている最中、嵐に見舞われて意識を失ってしまいます。そして気がつくとそこはコホリント島という不思議な島。ゼルダ姫そっくりのマリンという少女に助けられます。
この不思議な島を脱出するためにリンクは冒険を開始する……というストーリーなのですが、この時代の携帯ゲーム機でよく作ったな、と感心するくらい完成されたアクションRPGです。
レトロなグラフィックスと、BGMを聞いていると筆者がゲーム業界に入る前に(筆者プロフは記事末尾に記載)、何度もプレイしたタイトルの一つなので懐かしさでちょっと涙が出そうになります。
今回はさわりの部分だけ遊んでみて、他の配信されているタイトルにも手を出そうと考えていますが、一方当時はというと……小さな液晶をみながら一生懸命ストーリーを追いかけていた記憶があります。
あえてこのカラー版「星を見る島DX」を遊ばなくてもSwitchのリメイクを選択してもいいかなという気にはなりますが、敢えてカラー版の本作を収録してきた任天堂の心意気を感じますね。
さて、今回は2作品ゲームボーイ Nintendo Switch Onlineから紹介をさせていただきましたが、配信はまだ始まったばかり……これからゲームボーイやゲームボーイアドバンスの名作ゲームタイトルが多数配信されると思うと今からでもワクワクしてしまいます。
筆者的にはぜひローンチタイトルだった「スーパーマリオランド」や、コナミ様の名作である「ドラキュラ伝説」、コーエー様の「信長の野望 ゲームボーイ版」をもう一度遊びたいです……。
あの頃にこの小さな液晶画面に熱中した皆さんもぜひプレイしてみてください!
<参考・引用>
ゲームボーイ Nintendo Switch Online
※画像は筆者所有のSwitchをスマートフォンで撮影したものとなります。
※訂正、初出時「夢を見る島」とすべきところ1か所「星を見る島」としておりました。また、最初の発売年も1996年から1993年に訂正します。(更新:2023年2月9日16時37分)
【上村健太郎:筆者プロフィール】 神奈川出身、東京在住。オンラインゲーム業界において長らくプロモーションやプロデュースなどを担当し、数多くのタイトルを立ち上げ、そして終了させてきた苦い経験の持ち主。 私生活では妻と二匹のビーグル犬よりも地位の低い生活を満喫中。
提供元・おたくま経済新聞
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