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「広島」に対するイメージの変容
広島で出会った方の「共通点」
「広島」に対するイメージの変容
広島のイメージというと、原爆ドーム、厳島神社、広島東洋カープ、お好み焼き(広島焼き)、牡蠣、マツダ…そんな感じに漠然とした印象しかなかった。
ただ、僕はダイビングを始めた当時は大阪にいて、その頃に夢中になったのが沈没船だった。行ったことはないが、広島に戦艦陸奥という大きな戦艦が沈んでいて、それを見に行けるダイビングがあることは随分前から知っていた。
また、最近の僕の活動のひとつでもある、藻場再生の適地としても湾がある場所はそれに適していて、広島湾の海藻はまだ豊かなことを聞いていた。そしてそのダイビングポイントからはすぐに厳島が見え、広島市内からも1時間足らずでダイビングが可能なことは大きな魅力だと思ったのだ。

広島で出会った方の「共通点」
この旅は、「人」がテーマになると最初から思っていた。僕が初めて広島に行くことをSNSで発信し、僕が合うべき人たちがいたら紹介してもらいたいことを友人たちに伝えたところ、何人かの地元の方を紹介してもらうことになった。また、取材先として訪問しようと思っていたとこともできるだけ、人にフォーカスできる場所を選んで行けるようにした。
思惑どおりと言うべきか、今回の旅では本当に広島が大好きになることのできる「人」との出会いがあった。現地でたくさんの人を繋いでくれた方や、その場で晩酌の約束になった方、そしてもちろん、ダイビングを通じて出会ったダイバー。どなたもとても印象深い思い出があるが、みんなが共通に口にしていたのは「広島が1番」だった。こんなに地元愛のある地域を感じたのは珍しいと思う。この旅の途中何度も「広島いいところだろ?」と声をかけてもらった。そのとおり、とてもいいところだ。
「この町は何にもなくてね」、「こんなものしか見るとこないけど」と言われるよりも、「広島のお好み焼きが世界一や」、「広島の町はどこよりも美しい」とキッパリ言われる方が俄然に興味が湧く。
でも、ダイバーだけは広島の海を恥ずかしそうに紹介していたかな…。それはきっと鍵井さんのよう世界を股に掛けるカメラマンに対する謙遜だろうけど。予想を超えて、広島の海はとても豊かだった。海藻や生物の多様性も十分に感じられた。そして、湾ならではのベタ凪の水面、ご一緒した広島ダイバーの自立しているダイビングスタイル、どれをとってもとても新鮮だった。
また、これだけ見所のあるダイビングをした後でも、夕方前には厳島神社や広島市内の観光に行ける立地環境の素晴らしさは日本でもなかなか見当たらないと思う。ダイビングをした後に、厳島で夕暮れ時の神社も見れるし、原爆ドームなどの近辺を散歩しながらビールも飲めた。

