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美食の要塞都市ベレン
痺れるほど美味しいTACACA(タカカ)

美食の要塞都市ベレン

なんだこりゃ!?よそじゃ見られないアマゾングルメの紹介
(画像=『たびこふれ』より 引用)

炭火焼や素揚げ、スープなどシンプルな料理が多いアマゾンのメニューだが、ブラジル北部にある河口の街、ベレンに行くと料理はガラリ変化する。

ベレンは年間を通して平均気温が25℃を越し、湾に面したところには1600年代に竣工したカステロ要塞があり、ゴムの輸出で成長した都市だけあり街中には立派な建物が残っている港街だ。

市場やレストランに入ると見慣れぬ文字が並び、写真がなければどんな料理か想像もつかない。ここではアマゾン川そしてブラジルの他の地域とも違う独自の料理をいくつか紹介しよう。

なんだこりゃ!?よそじゃ見られないアマゾングルメの紹介
(画像=『たびこふれ』より 引用)

痺れるほど美味しいTACACA(タカカ)

なんだこりゃ!?よそじゃ見られないアマゾングルメの紹介
(画像=『たびこふれ』より 引用)

「タカカ」は野菜とエビの入った黄色いスープで、クイアと呼ばれる木の実を半分に割ったもので作った器の中に注がれて出される。

スープはトゥクピー(キャッサバ又はマンジョカの名で呼ばれる、サツマイモのような植物の根で作った汁)で、タピオカ粉(キャッサバの根から作ったでんぷん粉)を溶いているので、卵の白身のようなとろみがある。

余談ではあるが、タピオカといえば日本では玉状に加工され、コーヒー牛乳に入れられたものがブームになっていたが、ブラジルでは粉状のものを油を引かずにフライパンでクレープのように薄く広げて焼き、ジャムを塗ったり何か挟んだりして食べるのだが、これがもちもちした触感でジュースに入れて飲むよりも上手い。

具材は、茹でエビと高菜のような長さ20cmほどに切られた深緑色の野菜が入っている。この葉っぱこそがこの料理が肝であり、今まで食べたことない料理に昇華させている。

口に入れた瞬間強烈な酸味が口いっぱいに広がり、電気が走ったかのように脳を刺激する。それは酸味というレベルではなく、文字通り舌が痺れる刺激的な味だ。

脳が危険信号を送り危うく吐き出しそうになるのをこらえ、かみ砕いて無理やり飲み込む。腐ってるのか毒物か、一体全体これはなんなんだ!?というか本当に食べてよかったのか?

この痺れを伴う葉野菜の正体はJAMBU(ジャンブー)と呼ばれるキク科の植物で、れっきとした野菜らしいが、野菜と知らずに食べたらまず毒性の植物と判断するほど強烈に舌が痺れる味だ。

しかし、食べていくうちにこの痺れが心地よく、酸味のあるトゥクピーにエビの旨味と塩気がマッチ。ベレンにいる間、他の見慣れぬ料理を試しつつも、街を歩き回り屋台で見つければちょっとした腹ごしらえ感覚で毎日食べるほど癖になる味わいだった。