目次
日本人の金融資産保有額
日本と海外の家計の金融資産構成
日本人の金融資産保有額
ここまで金融資産や実物資産とは何か、どのような種類があるかについて解説してきました。
ここでは日本人の金融資産保有額に加え、どのような金融資産を保有しているのかについて解説します。
なお、金融資産保有額については、平均値と中央値をご紹介するので、ご自身の金融資産保有額と照らし合わせてみてください。
金融資産保有額
①年代別
世帯主の年齢 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
20歳代 | 313万円 | 110万円 |
30歳代 | 980万円 | 370万円 |
40歳代 | 1,248万円 | 500万円 |
50歳代 | 1,792万円 | 750万円 |
60歳代 | 2,918万円 | 1,350万円 |
70歳代 | 2,619万円 | 1,420万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年)」
年代別では60代が最も多く、70代になると減少しています。
60代までは老後にむけて金融資産を積み上げ、公的年金が支給されたあとは、公的年金の受取額よりも生活費が上回ることが多くなり、貯蓄を取り崩しているケースが多いことが推測されます。
②年収別
年収 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
収入はない | 1,869万円 | 250万円 |
300万円未満 | 1,173万円 | 418万円 |
300~500万円未満 | 1,486万円 | 550万円 |
500~750万円未満 | 1,762万円 | 835万円 |
750~1,000万円未満 | 2,327万円 | 1,100万円 |
1,000~1,200万円 | 2,927万円 | 1,400万円 |
1,200万円以上 | 6,190万円 | 2,393万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年)」
年収が高いほど金融資産保有額が大きい傾向があります。
③世帯累計別
世帯 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
世帯主のみ | 1,614万円 | 500万円 |
世帯主夫婦のみ | 2,471万円 | 1,000万円 |
世帯主夫婦と子のみ | 1,595万円 | 700万円 |
世帯主夫婦と子のみ親のみ | 1,912万円 | 1,200万円 |
その他・類型不能 | 1,964万円 | 600万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年)」
世帯主夫婦のみの世帯の金融資産保有額が大きくなっています。元々子どもがおらず、教育費の負担がなかった可能性も考えられます。
④世帯主の就業先産業別
就業先 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
農林漁鉱業 | 1,076万円 | 600万円 |
建設業 | 1,256万円 | 400万円 |
製造業 | 1,659万円 | 700万円 |
運輸業、郵便業 | 1,236万円 | 500万円 |
卸売業、小売業 | 2,181万円 | 500万円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 834万円 | 335万円 |
医療、福祉 | 1,348万円 | 500万円 |
公務、教育、電気水道業 | 1,907万円 | 800万円 |
その他サービス業 | 1,745万円 | 620万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年)」
個人事業が多い業種ほど金融資産額保有額が少ないと推測できます。
⑤地域別
地域 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
北海道 | 1,267万円 | 500万円 |
東北 | 1,486万円 | 715万円 |
関東 | 2,227万円 | 800万円 |
北陸 | 1,621万円 | 660万円 |
中部 | 2,085万円 | 800万円 |
近畿 | 1,829万円 | 800万円 |
中国 | 1,604万円 | 700万円 |
四国 | 1,702万円 | 620万円 |
九州 | 1,473万円 | 500万円 |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年)」
賃金の高いエリアほど金融資産保有額が大きい傾向にあるようです。
年収別の金融資産保有割合
続いて年収別にどのような金融資産を保有しているのか見てみましょう。
年収 | 預貯金 | 株式・債券 | 保険 | 投資信託(金銭信託) | 財形貯蓄・その他 |
---|---|---|---|---|---|
収入はない | 74% | 12% | 9% | 4% | 1% |
300万円未満 | 50% | 18% | 18% | 11% | 2% |
300~500万円未満 | 46% | 23% | 21% | 9% | 1% |
500~750万円未満 | 43% | 22% | 22% | 11% | 3% |
750~1,000万円未満 | 40% | 22% | 20% | 14% | 5% |
1,000~1,200万円 | 39% | 28% | 22% | 6% | 5% |
1,200万円以上 | 33% | 33% | 15% | 13% | 7% |
出典:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年)」を元に著者が保有割合を算出
年収が多い世帯ほど、リスクの高い株式の保有割合が多い傾向があるようです。
日本と海外の家計の金融資産構成
内閣官房が発表している資料によると、日本は資産を現預金で保有している割合が欧米よりも多いことがわかります。また日本は保険を加えれば資産の約75%が元本確保型です。
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局「資産所得倍増に関する基礎資料集 令和4年10月」
次に金融資産の増加額を見てみましょう。
先に述べたような資産割合で保有した結果、日本は10年かけて運用リターンで家計資産を1.2倍しか増やせていません。それに対し、英国は1.6倍、アメリカにいたっては2.6倍に増加しています。
もちろんこれは、ひとつの結果であり、今から投資をしても同じ結果になるわけではありません。
しかし、投資はリスクがあると言われているものの、長期間運用を継続すれば、大きく増える可能性があることは確認できたのではないでしょうか。
出典:内閣官房 新しい資本主義実現本部事務局「資産所得倍増に関する基礎資料集 令和4年10月」