ご自身の資産を見直したり、資産形成や相続対策を始めようとしても、そもそも何が金融資産に当てはまるのかわからない、どのような比率で資産を保有すればよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか?
この記事では、「金融資産とは何か」「どのような資産の種類があるのか」や「実物資産との違い」について比較しながら解説しています。
世代や地域ごとの金融資産の平均保有額なども紹介しているので、金融資産とは何かを理解したうえで、様々な角度からご自身の金融資産保有額や比率が適正なのかを把握するために、是非お役立てください。
金融資産とは
金融資産とは、現金・預貯金・有価証券など、実態を持たないものの、資産として評価可能で、現金化ができる資産のことを言います。
各金融資産の特徴について解説します。
金融資産の種類
金融資産とは以下のような資産のことです。
- 現金や預貯金
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 生命保険
- 商品券や小切手
各金融資産の特徴は、以下の通りです。
金融資産の種類 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
現金や預貯金 | 流動性の高さ | 利率の低さ |
株式 | リターンの大きさ | リスクの大きさ |
債権 | 比較的安全性が高い | 中途売却すると元本割れする可能性がある |
投資信託 | 運用をプロに任せられる | 元本の保証がない |
生命保険 | 生命保険効果 | 掛け捨ての生命保険は金融資産の対象外 |
商品券や小切手 | 流動性の高さ・安全性 | 換金率(商品券)・運用商品ではない |
①現金や預貯金
- 現金そのものや、銀行や信用金庫の預金、ゆうちょ銀行やJAバンクの貯金のこと
- 銀行やATMなどですぐに引き出せるため流動性が高い
- 金利が低い
②株式
- 企業に出資してくれた人に発行する証券
- 投資のなかではリターンが大きい
- 景気や経済指標の影響を受けやすくリスクも大きい
③債券
- 国や自治体がお金を借りるときに発行する借用証書
- リターンが比較的安定している
- 発行体のデフォルトリスクがある
④投資信託
- 投資のプロに運用を任せられる
- 分散投資の効果が働くため初心者にも向いている
- 元本の保証はない
⑤生命保険
- 万が一のときに備えられる金融商品
- ご自身の資産よりも大きなお金を遺族に遺せることがある
- 貯蓄性もあるがリターンは小さく、掛け捨ての保険は資産にならない
⑥商品券や小切手
- 商品券・・・券そのものに価値はなくても買い物ができる
- 小切手・・・一定の金額の支払を約束する有価証券
- 流動性が高い
- どこでも使えるわけではない
実物資産との違い
実物資産とは
資産のうち金融資産を除いたものが実物資産にあたります。
実物資産とは、不動産や貴金属、骨董品など、形がありモノそのものに価値がある資産のことです。
実物資産は取引相手をご自身で見つけなければならないため、流動性は金融商品ほど高くないという特徴があります。
また不動産や骨董品などは価格が資産に書かれているわけではなく、購入相手の資産に対する考え方によって価値が変動する可能性が高いため、価格の透明性は低いといえます。
取引手数料や取引単位は、金融資産よりも実物資産の方が高い傾向にあります。
金融資産 | 実物資産 | |
---|---|---|
流動性 | 高 | 低 |
価格の透明性 | 高 | 低 |
取引手数料 | 低 | 高 |
取引単位 | 小 | 大 |
実物資産のメリット・注意点
実物資産のメリットは、モノそのものに価値があるため、インフレ局面でも金融資産ほど価値が下落しづらい点です。
金利や景気、経済情勢次第では、株式や債券などの金融商品は紙切れになってしまう可能性はあります。
しかし、実物資産は多少の価値の下落があったとしても、そのモノの価値自体が無価値になってしまう可能性は低いでしょう。
一方、実物資産は流動性が低いため換金に時間がかかる、資産そのものの取引単位(取引価格)が大きい、また取引単位が大きいことにともない、取引手数料も大きくなるなどのデメリットもあります。