三河人の性格・気質

岡崎城出典:岡崎市公式観光サイト

さて、最後に、以上を踏まえて、私なりの三河人論、つまり三河人の特徴的な性格や気質について論じてみたいと予定していましたが、既に紙幅が尽きたようなので、いずれ後日に譲り、今回はごく簡単に私見を述べておくことにします。

ここで再び岡崎出身の志賀重昂に登場してもらうと、彼が「三河男児の歌」で熱烈なエールを送った三河男児とは、例えば九州男児などと対比してどのような特徴があるか。イメージ的に一言で言えば、やはり質実剛健。派手さは無く、スタンドプレーは苦手で、基本的に実直、愚直、剛直。そして、その原型が家康ということになるのではないかと思います。

俗に家康には、晩年の風貌からして「狸親父」とか、豊臣家を計画的に滅亡させた手口から「謀略家」などという暗い印象がありますが、他面、260年に及ぶ泰平の時代の基礎を築いた慎重さ、堅実さが真骨頂。そうしたDNAは現代の私たち三河人の末裔にも受け継がれているのではないか。そして、そのことを私たちは誇りに思って、今後とも日本の「へそ」として地道にかつ堂々と胸を張って生きていくべきではないかと愚考する次第です。

【追記】 本稿を書くにあたっては、岡崎市在住の小田章恵さん(元新城市教育長・中西光夫氏の長女)と、彼女を通じて入手した岡崎在住の深田正義氏(清酒「長誉」「三河武士」等の蔵元、丸石醸造株式会社の元社長)の著作などを参考とさせていただきました。深く感謝します。

(2022年2月5日付東愛知新聞令和つれづれ草より転載)

 

編集部より:この記事はエネルギー戦略研究会(EEE会議)の記事を転載させていただきました。オリジナル記事をご希望の方はエネルギー戦略研究会(EEE会議)代表:金子熊夫ウェブサイトをご覧ください。