大気汚染を測定監視するシステム

世界の代表的な大気汚染測定局ネットワークを紹介しておこう。各国の大気汚染状況が視覚的に理解できる。

● PurpleAir(個人等設置の測定局のみ)

米国ユタ州の企業が測定器の販売及び情報サービスを提供している。

PurpleAirのマップ表示

● IQAir(各国政府機関等設置および個人等設置の測定局)

スイスの企業が測定器の販売及び情報サービスを提供している。

IQAirのライブアニメーション大気質マップ

また、以下のようにIQAirのサイト及びスマートフォン用アプリケーションでは、全地球表示で気流による拡散も分析したリアルタイムでの表示が可能である。

IQAir Earth

● 世界の大気汚染: リアルタイム空気質指数

これは中華人民共和国に本部が存在する大気汚染監視ネットワークである。

検索で「大気汚染 表示」で上位に表示され、日本で利用されている方も多いようだが、筆者は同国機関のサイトに接続するのが非常に恐ろしいので、本稿ではこれは責任をもって紹介することはできない。

勇気のある方はぜひ活用されたい。

もっと空気質への関心を持とう

諸外国の空気質情勢を調査していると、日本は官民ともに空気質への関心は皆無か特に低いと筆者は感じる。

恐らくは西側諸国の中で空気質への意識度は最下位ではないかとさえ感じる。

その証として、アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)が制定し、欧米を中心に事実上の世界標準と言える空気質指標【US-AQI】は現段階では日本政府、環境省では採用していない。

また、中華人民共和国による空気質指標【CN-AQI】は200以下での指標に筆者は個人的に疑問を感じるので、日本国の環境省は世界標準と言えるUS-AQIをぜひ採用するように検討頂きたい。

※ 図表引用:AirNow.gov

日本国内の空気質は高度経済成長期の煤煙対策以降、全般的に良好である故に、皮肉なことに現代では空気質に関する理解度については、日本は先進国中で恥ずべき最下位と筆者は考える。

官民ともに、空気質という言葉と、合法若しくは脱法的な局地的大気汚染が起き得る現代の住環境事情に、一層の関心を持って頂きたいと願うものである。

空気質測定機器の個別詳細については長くなるので別稿で改めて紹介することにしたい。