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お雛様の頭(かしら)は何でできている?
雛人形だけでない岩槻のスポット3選

お雛様の頭(かしら)は何でできている?

ところで、伝統的なお雛さまの頭(かしら)は何でできているかご存じですか?時代からして木材?はい、その通りです。とはいっても木彫りなわけではありません。桐の粉と生麩糊(しょうふのり)を練った桐塑(とうそ)というものを型に入れ固めて作っているのです。

お雛様のふるさと、埼玉の街めぐりイベント2選
(画像=<裏小路公園は注意書きもお雛様 ©Kanmuri Yuki>、『たびこふれ』より引用)

昔このあたりには桐が多く植生しており、桐箪笥の製作などが盛んでした。そのため、岩槻は桐のおがくずを手に入れるのに苦労のない土地だったのです。今はもう岩槻には見当たりませんが、実は、すぐ隣の春日部市は今でも桐箪笥を特産品としています。

一方17世紀には、日光東照宮の大規模な造営に江戸から多くの職人たちが足を運びました。日光御成道の宿場町だった岩槻にも多くの職人が足を留めたはずです。一説によれば、そうした職人らによって、桐塑をつかった雛人形の頭(かしら)作りが確立したといいます。実際、桃の節句にお雛様を飾るようになったのは、江戸時代以降のことです。

お雛様のふるさと、埼玉の街めぐりイベント2選
(画像=<遷喬館に飾られた大正時代のお雛様 ©Kanmuri Yuki>、『たびこふれ』より引用)

岩槻の人形生産の歴史や、人形作りの工程については、岩槻人形博物館に詳しい展示がされています。同博物館でも、まちかど雛めぐりに合わせた企画展やワークショップが開催されます。

岩槻人形博物館

  • 開館時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)
  • 休館日:月曜日(休日の場合は開館)、年末年始
  • 入館料:一般300円/高校生・大学生・65歳以上150円/小・中学生100円(団体割引あり、特別展などにより変動)
  • 2023年1月28日(土)~3月19日(日)は、企画展「描かれた雛祭り」開催中。※この企画展中、着物で来館した人は入館料無料

雛人形だけでない岩槻のスポット3選

どのスポットも岩槻駅東口から徒歩で回れる距離にあるので、個人的には、地図を片手に気ままな散策が一番のお薦めです。ただ、それでは記事にならないので、敢えて雛人形以外にも見るもののあるスポットを3つ挙げておきましょう。

1. 岩槻藩遷喬館(せんきょうかん)

お雛様のふるさと、埼玉の街めぐりイベント2選
(画像=<岩槻遷喬館 ©Kanmuri Yuki>、『たびこふれ』より引用)

遷喬館(せんきょうかん)は、岩槻藩に仕えていた儒者、児玉南柯(こだまなんか)が1799年に開いた私塾です。解体修理と復原工事を経てたたずむ建物は、それだけでも一見の価値がありますが、雛めぐりの時期には、こちらの座敷にもお雛様が飾られます。

  • 開館時間:9:00~16:30
  • 休館日:月曜日(休日を除く)、休日の翌日(土・日・祝を除く)、年末年始
  • 入館料:無料

2. さいたま市岩槻郷土資料館

岩槻郷土資料館もまた、ユニークな建造物です。1930年(昭和5年)警察署として建てられたとあり、ほとんど装飾のないつくりですが、よく見れば、窓や庇、階段の手すりなどにアールデコの片鱗がうかがえます。こちらにも、雛めぐりの時期には古いお雛様が展示されます。トイレの男女イラスト表示がお雛様というのも人形の町ならではです。

お雛様のふるさと、埼玉の街めぐりイベント2選
(画像=<郷土資料館階段部にもお雛様 ©Kanmuri Yuki>、『たびこふれ』より引用)
  • 開館時間:9:00~16:30
  • 休館日:月曜日(休日を除く)、休日の翌日(土・日・祝を除く)、年末年始
  • 入館料:無料

3. 八雲神社

岩槻郷土資料館のすぐ近くにある八雲神社が、現在地に移築されたのは1884年(明治17年)のことです。元は、室町時代1560年ごろ、岩槻城太田氏の家臣である勝田氏が、市(いち)の守護神として建設したもので、素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀っています。お雛様からは離れますが、この八雲神社まで来たら、総ケヤキ造り御本殿の彫刻を必ず鑑賞しましょう。

壁面には、おどろおどろしい迫力のあるヤマタノオロチ、その退治に乗り出すスサノオノミコトの躍動感あふれる姿、長い髪と巻物のお経を強風にたなびかせる櫛名田姫命(クシナダヒメノミコト)などが、緻密に刻まれていて、息をのむほどの臨場感を放っています。お雛様は、この本殿横の自治会館にも飾られます。

お雛様のふるさと、埼玉の街めぐりイベント2選
(画像=<御本殿横の自治会館に飾られたお雛さま ©Kanmuri Yuki>、『たびこふれ』より引用)
  • 拝観無料