タクシーを利用する場合
リアルな店舗はお店の方に直接尋ねるなどして、またオンラインショップはインボイス事業者であるマークなどの確認や、利用前に直接確認することでインボイスを発行してくれるかどうかの確認が可能です。
しかし、それが難しいのがタクシーです。たとえ車体に「インボイス対応」と記載したとしても、それを確認している間に通り過ぎてしまいます。
個人タクシーは「全個連(でんでん虫グループ)」と、「日個連(ちょうちんグループ)」という2つの大きな組織があり、全国の個人タクシー事業者の95%を占めています。
この2つの団体の組合員全員がインボイス発行事業者になることを目指しているそうですが、強制力はなく、課税事業者と免税事業者が混在することになりそうです。
組合では免税事業者を選んだ組合員には、タクシーの行灯を変えて見た目を変える予定とのことです。しかし、せっかくつかまえたタクシーの行灯を見て乗車しないというのでは、残念ながら利用者にとっての利便性は下がるといえます。
【参考】免税のままの「個人タクシー」は行灯の形を変更 「インボイス対応」を組合に聞く
個人的に利用するなら気にならないインボイスですが、会社の経費にするには絶対に欲しいインボイス。これからは、経費を使用するときにインボイスがもらえるかどうか確認する、というワンステップが加わることになりそうです。
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高山 弥生 税理士 ベンチャーサポートグループ所属税理士 一般企業に就職後、税理士事務所に転職。「顧客にとって税目はない」をモットーに、専門用語をなるべく使わない、わかりやすいホンネトークが好評。税理士事務所の入所当初、知識不足で苦しんだ自らの経験をもとに、「高山先生の若手スタッフシリーズ」を出版している。インボイス関連では『消費税&インボイスがざっくりわかる本』『インボイスの気になる点がサクッとわかる本』がある。
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年2月1日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。