1月31~2月1日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場予想通りFF誘導金利目標を25bp引き上げ4.5~4.75%に設定した。2022年3月の25bp、同年5月の50bp、同年6~11月の4回連続75bp、同年12月FOMCに続き、今回のサイクルで8回目の利上げとなる。利上げ幅は、事前のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙の報道通り、0.5%ポイントから0.25%ポイントへ縮小した。

パウエルFRB議長 Board of Governors of the Federal Reserve System SNSより
今回の声明文では、主にインフレ減速に合わせ関連する文言を修正した。また、バイデン政権が新型コロナウイルスに関わる緊急事態宣言を5月11日に終了するとの発表に合わせ、パンデミック関連の文言を削除した。
一方で、利上げ幅縮小を決定したものの「継続的な利上げは適切」との文言を維持。パウエルFRB議長は、記者会見で①複数回の利上げを行う見通し、②年内利下げを否定、③インフレ減速を見届ける、④ただし物価や景気は減速を確認した、⑤ディスインフレの初期段階に入った――などの見方を表明した。声明文を始め、詳細は以下の通り。
【FOMC声明文】
声明文の変更点は以下の通り。 修正箇所は、取り消し線と太字下線部をご参照。
<景況判断(ウクライナ情勢含む)>
前回:「足元の支出や生産をめぐる指標は、緩慢な伸びを示した。雇用は足元数カ月において活発に増加し続け、失業率は引き続き低水準をたどった。パンデミック下で生じた需要と供給の不均衡に加え、食料やエネルギー価格や広範囲にわたる値上げ圧力を受け、引き続きインフレの高止まりに繋がった。ロシアによるウクライナ戦争は、人道的且つ経済的に多大な困難を強いている。侵攻とそれに関わる事象は、一段のインフレ圧力をもたらし世界経済の活動の重石となっている。委員会は、インフレ・リスクを大いに注視していく」 ↓ 今回:「足元の支出や生産をめぐる指標は、緩慢な伸びを示した。雇用は足元数カ月において活発に増加し続け、失業率は引き続き低水準をたどった。インフレはいく分鈍化したが、引き続きインフレは高止まりにある。ロシアによるウクライナ戦争は、人道的且つ経済的に多大な困難を強いており、世界的な不確実性の高まりに寄与している。委員会は、インフレ・リスクを大いに注視していく」 ※米12月消費者物価指数や米12月PCE価格指数など物価指標で明確な鈍化トレンドを確認したため、インフレ上昇圧力に関わる文言を修正。
チャート::物価動向、明確に鈍化トレンドをたどる
(作成:My Big Apple NY)