一つのパターンだけでなく、複数のパターンが積み重なって超過死亡が急増したと推測されます。そして、報告率が顕著に低いことが事実であれば、接種後死亡も関与していることになります。どのパターンが最も大きく関与しているかの判断は、現在公開されている情報のみでは難しいと、私は考えます。なお、個人的伝聞ではありますが、aとbについては、そのような話を実際に聞いたことがあります。

間接死の場合、どこまでを報告するかは現場の医師の判断で決まると思われます。報告されていないコロナ死が多数存在している可能性を、第一線でコロナを治療している医師も指摘しています。別の言い方をしますと、間接死の場合、因果関係のある死亡なのか偶発的死亡なのかの判断は、容易でない場合がしばしばあるのが現実なのです。

感染症に関係して発生するが表に出てこない死亡者を把握する仕組みが、超過死亡という指標です。 死亡が偶発的であれば、超過死亡数は変化しないのに対して、因果関係のある死亡であれば超過死亡数は増加します。

6. 特別養護老人ホームにおいての裏付け調査が必要

超過死亡急増の原因究明をするには、公表されている疫学データの分析のみでは限界があります。 以前の論考 で、特別養護老人ホームでの接種後死亡の発生率が最も高いことを指摘しました。原因究明には、特養での死亡者の全数調査が最適です。

特養でのすべての死亡者数の推移および接種から死亡までの日数を、十数施設の特養で調査すれば、 真の接種後死亡者数を推定する重要なデータが得られると考えられます。また、コロナの直接死者数、間接死者数、コロナ以外の死者数を調べれば、超過死亡の要因を推定する重要なデータとなるはずです。

7. 超過死亡数-コロナ死亡数、接種後死亡数、コロナ死亡数のグラフを呈示

最後にこのグラフを呈示して、今回の論考を終わりとします。なお、このグラフの作成方法や月の定義は少し特殊であり、詳細は過去の論考を参照してください。

【補足】 以前の論考「迷走する感染研の超過死亡(第3報)」は、意味が理解できなかった人が多かったようなので、少し書き直しました。まだ、難解かもしれませんが、以前のものよりは分かりやすくなったと思います。興味のある人は、もう一度ご覧ください。 なお、補足の部分にも解説を追加しましたので、あわせてご覧ください。