黒坂岳央です。

近年、詐欺の手口は非常に巧妙化している。かつては「こんなの誰が引っかかるんだ?」と思うような稚拙でバカバカしい手口を大量に送信することで、コンマ数%のあたりを引くようなものが多かった。

しかし、最近の詐欺は非常に高度になっており、それなりにリテラシーの高い人でも引っかかってしまうものがある。たとえば宅配業者や金融機関を装ってショートメッセージにURLを送り、そこからフィッシング詐欺などである。

筆者が個人的に心がけていることを取り上げたい。

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1. 世の中に「割の良い話」はない

昨今、闇バイトが大きな話題となっているが、そこで頻繁に話題に上がるのが「受け子」というキーワードである。受け子とはオレオレ詐欺などで現金を受け取る仕事だ。多くは生活に困窮した若者であるが、中には60代が受け子をやって、同年代の相手からお金を受け取るということも起こっている。

だが冷静に考えれば受け子の仕事はまったく割に合わない。捕まれば当然、懲役刑となり実名報道で一生消えないデジタルタトゥーが刻まれてしまう。受け子の仕事は「日給○万円!」と景気のいい数字が取り上げられ、自分で考える力のない人は「なんて割の良い話だ!」と飛びついてしまいがちだ。

だが割の良い話を、不特定多数に発信する人は世の中に存在しないという理解をすることである。現金配りもほとんどがフィッシング詐欺や高額情報商材への販売へ繋げられる。あまりにいい話を聞いたら、常に疑うくらいの慎重さが求められるだろう。