”メティエ・ダール”。フランス語でMetiers d’Art”と綴り、直訳すると”芸術の職業”。「シャネル」や「カルティエ」といったフランスを代表するアーティスティックなジュエリーやクチュールメゾンに関わる職人の手仕事や、ラグジュアリーホテルの内装を手掛けるアトリエの仕事、具体的には刺繍や宝石のセッティング、寄せ木細工、オブジェなど、高いアート性を備えた職人技術の粋を指す。

そんな職人が生み出すアーティスティックな作品にフォーカスした展覧会”オブジェ•サンシュエル(官能的なオブジェ)”が1月下旬、”パリ・ファッション・ウィーク”オート・クチュール期間に合わせて開催された。場所は、パリを代表するラグジュアリーホテル「ル・ムーリス」。サルヴァドール・ダリに愛されるなど、アーティスティックな雰囲気が漂うホテルは、この展覧会にふさわしい空間だ。

企画者は、「メティエ・ラール(希少な職業)」という、メティエ・ダールに関わる職人の手仕事を啓蒙PRする会社の代表、ラファエル・ル=ボー。大手メゾンやホテルの名前の裏に隠れてフォーカスされることが少ない、卓越した技術と感性を持つ職人作品の素晴らしさを、アーティスティックに紹介したい、と、企画を立ち上げた。

本展を企画したラファエル・ル=ボー(右)と、空間演出を担当したピエール=イヴ・ゲネック©︎GERONIMO