一体何のために米英仏豪軍と共同訓練をやっているのでしょう?単にやっているフリするだけのためならば、訓練費用がもったいないので共同訓練は全廃するだけです。

昨年の8月末から数件発生した中国本土から数キロの距離にある台湾の金門島にドローンが飛来する事案が発生したが、この飛距離を飛ばせるのも中国のドローンが5GHz帯の電波を使用しているからこその結果であることは間違いない。

筆者はその危機的かつ一刻の猶予もない状況を認識するからこそ、時に批判されながらも技術的な根拠やドローンの操縦、実験などの経験や結果に基づき可能な限り誤った言説を否定し、自衛隊のドローン運用に対する規制緩和および規制除外の声を挙げて、理解を求めてきた。

その理由は単純で、災害が多い日本では誰もが被災者になる可能性があり、国民保護の観点からも数百mしか飛べないことと数キロ飛べることとの違いによって助かる命も助からない可能性が高いと考えるからである。言い換えれば航空法、小型無人機等飛行禁止法、電波法といった規制が、ドローンを活用した自衛隊による災害対応や人名救助の妨げになっている現状がある。

まさにこういうことがFFOSやFFRSが東日本大震災で飛ばなかった原因ではないでしょうか。防衛省はこれらに関する報告書を公開すべきだと思います。

こうした言説が幸いしてか、22年の年末に公表された安保3文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の総称)における「国家防衛戦略」の項目「III 我が国の防衛の基本方針~1 我が国自身の防衛体制の強化(2) 国全体の防衛体制の強化」には「民生用の周波数利用と自衛隊の指揮統制や情報収集活動等のための周波数利用を両立させ、自衛隊が安定的かつ柔軟な電波利用を確保できるよう、関係省庁と緊密に連携する。」という記述がなされた。

しかし、いつまでに、何をするのか、具体的な記述はない。これが規制緩和の糸口になるか、それとも単なる記述だけで終わるのかによって自衛隊のドローン運用の将来が決まるだけでなく、日本の防衛や災害対応など我々国民の生命すら左右する重要事項と言っても過言ではない。

今回のレクを受けた限り防衛省や自衛隊には何もやる気がないでしょう。多額の予算を投じてわざわざ性能を低下させて高額にしたクズ無人機を調達します。まるで中国のために我が国を疲弊させ、自衛隊を弱体化させようとしているとしか思えません。

これだけおかしな規制があるわけですが、在日米軍には適応されません。電波障害が起こるなどの問題があれば在日米軍も規制すべきですが。それはありません。同じ電波でも米軍が使うのは「いい電波」で自衛隊が使うと「毒電波」になるのでしょうか。

宗主国には無いも言えないのでしょうか。こういう「同盟国」を米国は本当に信用しているのでしょうか。大変疑問に思います。

【本日の市ケ谷の噂】 陸自の看護官は卒後すぐ、防衛医大ではなく、患者の少ない陸自の自衛隊病院で研修とな るため不満が多く退職も多い、との噂。

編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2023年1月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。