【ポイント3】 病理解剖は実施されませんでした。真実を追究するには、病理解剖は必須です。どのような経緯で、病理解剖をしないことになったのか不明です。適切な助言をできる人が周囲にいなかったことは、残念でした。
【ポイント4】 接種後15分以内に体調が悪化して、アナフィラキシー以外の原因で死亡した報告例が存在しています。今回の報告の直後に、似たような経過で死亡した症例が東京で報告されています。この報告では、接種後15分の経過観察中に体調不良を訴え、すぐに意識不明となり、病院に搬送され死亡が確認されたということです。この症例では、司法解剖が実施され、アナフィラキシーの可能性は低いと報告されました。
アナフィラキシーの約10%は皮膚粘膜所見を伴わないとされていますので、今回の症例では、アナフィラキシーの可能性を否定することはできません。ただし、最後まで皮膚および粘膜所見が発現しなかったため、確定診断は難しい症例だったと言えます。また、病理解剖を実施していないため、死因の特定は有耶無耶で終わりそうな予感がします。私はコロナワクチンとの因果関係を認めるべきと考えますが、厚労省は例によってγ評価に認定しそうであり、残念な結末になりそうです。