愛知県でコロナワクチン接種後に急死した症例において、現場の医師の対応に問題があったのではないかということが話題となっています。

この第一報を聞いた時、接種5分後に息苦しいなどの体調悪化を訴えて、その後死亡したのであれば、アナフィラキシーで間違いないと、私は思いました。また、死亡診断書の病名が、急性心不全となっているという話を聞いて、事実をねじ曲げているのではないかという疑惑を抱きました。

しかしながら、厚労省で公開された症例データを丹念に読んでみたとろ、考えが少し変わってきました。つまり、今回の症例はアナフィラキシーではなかった可能性も若干あるのです。

まず、アナフィラキシーのガイドラインを見ておきます。これによりますと、皮膚および粘膜症状(蕁麻疹、血管浮腫、口腔内腫脹など)は80~90%、気道症状(嗄声、呼吸困難、咳、喘鳴など)は最大70%、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢など)は最大45%、心血管系症状(血圧低下、胸痛、頻脈など)は最大45%、中枢神経症状(破滅感、拍動性頭痛、浮動性めまいなど)は最大15%に発現すると解説されています。診断確定には、複数の臓器で、複数の症状が存在することが必要です。

次に、ガイドラインを用いて、報告データを分析してみます。