日本における今後の展望
2022年、日本でもSTOならではの特性を活かした案件が生まれてきました。今後、STOの更なる発展を遂げてゆくことが期待されます。
自己募集型STOの増加
先ほどご紹介した、丸井グループにおける社債自己募集は、BtoC企業が直接投資家と繋がり、エンゲージメントすることが可能であることをSTの技術をもって証明した事例でした。
発行体・投資家を含む全てのステークホルダーがWin-Winとなるモデルであり、このような事例は、今後も多く出てくるものと予想されます。
未上場会社の資金調達におけるSTOの活用
米国では、STの技術を活用することで、これまで非デジタル部が残っていた未上場会社・スタートアップの資金調達についてデジタル化・効率化が図られています。
日本でも同様に、未上場会社の資金調達のデジタル化・効率化という面で、STの技術は親和性は高く、今後STによるスタートアップ企業の資金調達の事例が出てくることが期待されます。
ただ、一方で、米国では、Regulation A+、Rgulation Dなど、未上場会社の資金調達を促進するための制度が整えられてきたという背景があり、その上でST化も図られているという状況です。
日本では小規模公募規制・特定投資家が極端に少ない等の過剰規制により、諸外国に比較して未上場会社・スタートアップ企業の資金調達がしづらい状況にあり、そのあたりの規制改革も同時に進める必要があるでしょう。
また、そのような状況ですので、日本の未上場会社・スタートアップ企業が米国の規制を活用した資金調達をすることが、STOによるデジタル化によりハードルが下がり、今後促進してゆくことも考えられます。
クロスボーダーSTO
上記のように日本企業が米国でSTOにより資金調達するとは逆に、米国の先進的なSTを日本で販売・売買するということも考えられます。
もちろん、その場合は、日本における開示規制や、一種金証業ライセンス業者が取次ぐ等の、日本法に準拠するための対応が必要です。しかし、一般の米国株が日本国内で人気な様に、クロスボーダーSTOの実現も近い将来実現されるでしょう。
他のデジタルアセットとの連携
STは、ブロックチェーンをベースとするテクノロジーであり、元来、他のブロックチェーンベースのデジタルアセットとの親和性が高いものです。
米国で既に実施されているように、法定通貨と連動したステーブルコインを使っての決済や、ST投資家に対してNFTを特典として付与する等による新しい投資家エンゲージメントの形など、他のデジタルアセットとの連携が今後進んでゆくことが考えられます。