米国の状況

一方、STOの適用が最も進んでいる米国の状況はどのような状況となっているのでしょうか。Securitizeは米国で様々な企業・ファンドのSTOでの資金調達をサポートしています。

※以下は米国での活動を紹介することを目的とした事例紹介であり、2022年12月22日現在、日本国内に居住されている方は投資いただけません。また、Securitizeは日本では証券業を行っておらず、金融商品への投資を勧誘、アドバイスを提供するものではありません。

Exodus社の未上場株式資金調達(Mini-IPO:Regulation A+)

2021年、Exodus Movementというアメリカにおけるデジタルウォレット提供をするスタートアップ企業が、STOにて75 million USD(2022/12/1の為替レートにて100億円以上)の株式での資金調達を行いました。

本調達のポイントは以下です。

・Regulation A+という米国の小規模公募規制(上限75million USDを一般投資家を含む米国投資家より調達が可能)を活用・準拠
・自己募集であり、証券会社の引き受け手数料が発生していない(通常、この規模の引き受けは数%(数億円)の引き受け手数料が発生します。その手数料の節約ができているということです)
・自己募集であり、Exodusは自社の顧客向けアプリより、直接顧客に訴求を可能とした
・二次流通が可能である(Securitize Marketsを始めとした、STを取り扱う取引所(ATS)にて売買可能)、プライマリ投資家は必要に応じてATSにて売却が可能)

STOにより、スタートアップ企業が、低コストで、広く、多額の調達ができている例になっているかと思います。

KKRのPEファンド、Hamilton Laneのトークン化されたフィーダーファンド

2022年、世界最大の投資運用会社の一つと言われているKKR(Kohlberg Kravis Roberts & Co. L.P.)のヘルスケア成長投資戦略ファンドIIの出資持分をトークン化し、投資募集をすることを発表しました。

また、同様に、世界的な投資運用会社であるHamilton Laneは、同社のファンドへの投資家のアクセスをトークン化で拡大することを目的としたSecuritizeとのパートナーシップを締結し、今後3種のトークン化されたフィーダーファンドに対して、米国の適格投資家は簡単に投資できるようになる予定であることを発表しました。

これらは、米国SecuritizeのWebサイトより、国籍や資産額等の一定の投資家要件を満たすことを証明した投資家であれば誰でも投資応募ができます。

STOにより、これまで機関投資家などの極めて限られた投資家しかアクセスできなかったファンドに対するアクセスが、小口化コストの低減等により一般寄りに広がってきている例になっているかと思います。

Artory/Winstonのアートファンド

2022年、Artory/Winston(ArtoryとWinston Art Groupによるジョイントベンチャー)は、初のトークン化・分散型アートファンドの設立を発表しました。

本ファンドへ組み入れられるアート作品のソーシング及び評価は​​Winston Art Groupが行い、投資家は、厳選された現物のアートからなるポートフォリオの持分をSTとして購入することができ、1年間、原則として購入したSTを転売等、二次流通できない期間を空けた後、Securitizeのセカンダリー市場で取引できる予定です。

また、Artoryの技術を活用し、作品の情報をブロックチェーンに取り込むことで、出所の証明、デジタル証明書を投資家に示す予定となっています。

STOにより、これまでになかったような新たな​​魅力的なオルタナティブ投資商品が出てきた例になっているかと思います。

パブリック・ブロックチェーンにおけるSTの発行・管理・流通

上記例に限らず、米国におけるSTは、日本とは異なり、大半がパブリック・ブロックチェーン上に発行・管理されています。

そのため、ステーブルコインによる決済・償還/配当/利払、複数のATS(代替取引システム)での二次流通を容易に実現することができます。