代表的な2つのCMSツールを比較

どのCMSを利用しようか迷ったときは、ユーザーが多いものを検討してみてはいかがでしょうか。ユーザーが多いということは、使いやすさがある程度担保されていることに他なりません。代表的な2つのCMSを紹介します。

1.WordPress(WordPress.com)

ウェブサイトの40%以上は、WordPressのCMSで作成されているとも言われます。WordPressの特徴としては、次のものが挙げられます。

● 無料で利用できる
● WordPressの広告が入らない有料プランもある
● プラグインの数が多く、デザイン性や機能性を高められる
● 基本機能はシンプルなので、カスタマイズをするにはある程度のプログラミングの素養が必要

次のいずれかに当てはまるときは、WordPressの利用が適しています。

● ウェブサイトやブログの運営をしたことがない
● プログラミングやサイトデザインの経験がない
● ウェブサイトのデザインにこだわりたい

なお、WordPressのサポート体制は十分とは言えません。しかし、WordPressはユーザーが多いので、ユーザーコミュニティで質問し、解決につなげられます。WordPressについて詳しくは、次の記事をご覧ください。

2.Movable Type

Movable Typeも、ユーザーの多いCMSです。主な特徴としては、次のものが挙げられます。

● 個人は無料で利用できる
● 複数のブログを運営できる
● プラグインの数が少なめ
● 有料プランでは公式サポートを受けられる

次のいずれかに該当するときは、Movable Typeの利用を検討できます。

● 有料であっても公式サポートを受けたい
● ページ表示速度が速いウェブサイトを構築したい

Movable TypeはWordPressと比べると、基本となる料金が高めの傾向にあります。

CMSツールを比較する際の4つのポイント

どのCMSを利用するか迷ったときは、次のポイントで比較してみましょう。

  1. マーケティングに有効な機能はついているか
  2. Web制作や記事作成などの操作は簡単か
  3. 他システムとの連携がスムーズに行えるか
  4. 導入後もサポートがあるか

比較するポイントについて簡単に説明します。

1.マーケティングに有効な機能はついているか

CMSによっては、次のようなマーケティングに有効な機能がついています。

● アクセス解析
● ランディングページ最適化
● アンケート配信
● メルマガ配信
● 問い合わせフォーム作成
● FAQ作成
● SNS連携
● 製品情報管理
● 顧客リスト管理
● ウェブサイト内検索窓の作成

例えば、ユーザーの流入経路やウェブサイト内の滞在時間などを解析できれば、アクセス数を増やすための改善方法も見つけやすくなります。外部のツールでアクセス解析するのも良いのですが、連携の手間などを考えると、CMS内に備わっているほうが便利です。

また、顧客リストを安全に管理する機能があれば、顧客に合うプロモーションを実行したり、個別にアプローチしたりすることも簡単になります。ウェブサイトを通して商品やサービスの売上増を目指しているときや、ECサイトや採用サイトを運営するときなども、マーケティング機能が充実しているCMSを選びましょう。

2.Web制作や記事作成などの操作は簡単か

CMSはウェブサイトを簡単に作成するためのシステムですが、実際の操作方法が簡単とは限りません。高度なプログラミングの知識やスキルを必要とされるものや、記事作成の度に設定に時間がかかるものなどもあります。

本格的に利用する前に無料でトライアルできるシステムを選ぶと、操作性についても検証しておけます。ウェブサイトの運営は長期にわたって行うのが基本です。使いやすいシステムを導入するためにも、無料トライアルができるシステムを選びましょう。

3.他システムとの連携がスムーズに行えるか

他のシステムとの連携が簡単なCMSであれば、より高度なマーケティングツールなどと連携して、機能性を高められます。また、既存の顧客データベースやテキストなどもシンプルな手間で移行できるので、ウェブサイトや顧客の管理を一元化することが可能です。

近年は、検索エンジンではなくSNSで検索するユーザーも少なくありません。SNSと連携できるシステムであれば、ウェブサイトへの流入経路を簡単に増やせるだけでなく、SNSのユーザーにもアピールしやすくなります。CMSを選ぶときには、他システムやSNSとの連携がしやすいかどうかもチェックしておきましょう。

4.導入後もサポートがあるか

ウェブサイトの運用中にトラブルが起こることが想定されます。例えば、特定の機能が使用できなくなったり、テキストや画像が消えたりすることもあるかもしれません。

特にアップデートなどの大きな変化を加えたときには、不具合が起こったり、使いづらくなったりすることがあります。CMSを選ぶときは、導入後にもサポートが受けられるかどうかも確認しておきましょう。

また、サポートの種類についても注意が必要です。チャットサービスも良いのですが、チャットボットで運営されている場合は、個々の状況に基づいたサポートを得られない可能性があります。可能であれば、CMSの公式ホームページに問い合わせ専用のフォームがあるものを選ぶようにしましょう。