CMSとは「コンテンツ管理システム」のことで、ウェブサイトの作成や運営を簡単に行うシステムを指します。例えば、WordPressはCMSの1つです。CMSを使ってウェブサイトを作成するメリットや注意点、搭載されている基本機能、適切なCMSの選び方について分かりやすく解説します。
- CMSとは?
- CMSの特徴
- CMSの利用目的
- 静的CMSと動的CMSの違い
- CMSでサイト構築を行う9つのメリット
- 1.プログラミング知識がそこまでなくてもサイト構築・運用ができる
- 2.ページ追加に付随する編集作業が自動で行われる
- 3.CMSの基本機能やプラグインにより簡単にSEO対策ができる
- 4.テンプレートが多彩でレイアウト設定・デザイン設定が簡単
- 5.ユーザー数が多いため知りたい情報がネットで簡単に手に入る?
- 6.サイトの運営業務が属人化しない
- 7.マルチデバイス対応が可能
- 8.SNS連携が容易
- 9.経費削減になる
- CMSでサイト構築を行う5つのデメリット
- 1.既存サイトがある場合はデータ移行やリニューアルの必要がある
- 2.セキュリティ対策が必要
- 3.定期的にバックアップを取らなければならない
- 4.最低限の作業フローを覚える必要がある
- 5.カスタマイズが難しい
- 小規模サイト向けの「オープンソース型CMS」
- 中〜大規模サイト向けの「パッケージ型CMS」
- 独自開発が可能な「フルスクラッチ型CMS」
- 代表的な2つのCMSツールを比較
- 1.WordPress(WordPress.com)
- 2.Movable Type
- CMSツールを比較する際の4つのポイント
- 1.マーケティングに有効な機能はついているか
- 2.Web制作や記事作成などの操作は簡単か
- 3.他システムとの連携がスムーズに行えるか
- 4.導入後もサポートがあるか
- ウェブサイトの目的に適した特徴・機能を持つCMSを選ぼう
CMSとは?
CMS(Contents Management System、コンテンツ管理システム)とは、ブログやウェブサイトを作成・運営するためのシステムのことです。
CMSを使わずにブログやウェブサイトを作成するときは、ユーザーが閲覧するページを直接操作することになります。また、直接ウェブサイトを作成するため、HTMLなどのプログラミング言語に精通し、サイトデザインやプログラミングを実施できることも必要です。
しかし、CMSを利用すれば、いくつかの設定を行うだけで、ブログやウェブサイトを簡単に作成できます。プログラミングやデザインなどについての知識がなくても問題なく利用できるので、ウェブサイトの作成・運営のハードルが下がります。
CMSの特徴
CMSの主な特徴としては、次のポイントが挙げられます。● 専門知識がなくてもウェブサイトの作成・運営ができる
● マルチデバイスに対応したウェブサイトを作成できる
● 複数人でウェブサイトの運営ができる
通常、ウェブサイトを作成・運営するには、HTMLやCSSなどのプログラミング言語を理解し、実際にコードを書けることが必要です。しかし、CMSを活用すれば、既定の流れに沿って設定していくだけで、誰でも簡単にウェブサイトを作成し、管理できます。
また、多くのCMSは、マルチデバイスに対応しています。チェックボックスにチェックを入れる、対応したプラグインをインストールするなどの簡単な作業をするだけで、パソコンで見るユーザーにもスマホで見るユーザーにも最適な画面を提供することが可能です。
CMSは、IDとパスワードさえあれば、誰でも執筆や投稿管理などの作業を行えます。例えば、複数のライターが同時に異なる記事を執筆する、執筆と投稿管理を別の担当者が受け持つというように、複数の人数がウェブサイト作成・管理に関わることが可能です。多くのコンテンツを有するウェブサイトを短期間で作成したり、チェック者を複数配置して、誤字や文法ミスをチェックしたりといった使い方もできるでしょう。
CMSの利用目的
CMSは、ブログやウェブサイトを作成・管理に用いられるシステムです。次のような使い方をしたいときは、CMSが適していると言えます。● テキストをまとめて管理したい
● コンテンツに掲載する画像・動画をまとめて管理したい
● 自動投稿を利用したい
● 複数のスタッフでブログやウェブサイトの作成・運営を行いたい
● ブログやウェブサイトの管理にかかる手間を削減したい
CMSによっては、次のような目的で活用できる多機能システムもあります。
● マーケティング
● 顧客体験の改善
静的CMSと動的CMSの違い
コンテンツの作成方法によって、静的CMSと動的CMSに分けることもできます。それぞれに見られる特徴は次の通りです。<静的CMS>
● 別途生成したHTMLをウェブサーバーに転送して使用する
● ページの表示速度が早い
● CMSサーバーとウェブサーバーは別のものを用いるので、セキュリティを確保しやすい
● 更新頻度が少ない、あるいはセキュリティを重視するウェブサイトに適している
<動的CMS>
● ユーザーがアクセスしたときに、データベースから必要な情報が引き出され、その都度、ウェブページが生成される
● ページの表示速度が遅い
● ウェブサイトの自由度が高く、ページ拡張・更新が簡単
● 検索サイト、あるいはマイページ(会員ページ)などに適している
静的CMSと動的CMSの違いについては、次の記事でも詳しく解説しています。
なお、CMSによって搭載されている基本機能が異なります。セキュリティ対策が不十分で、後からプラグインなどの手法により機能追加が必要になるものなどもあるので注意が必要です。
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CMSでサイト構築を行う9つのメリット
CMSでサイト構築をすることには、多くのメリットがあります。その中でも特に注目したいメリットとしては、次のものが挙げられます。- 専門的なプログラミング知識がなくてもサイト構築・運用ができる
- ページ追加に付随する編集作業が自動で行われる
- CMSの基本機能やプラグインにより簡単にSEO対策ができる
- テンプレートが多彩でレイアウト設定・デザイン設定が簡単
- ユーザー数が多いため知りたい情報がネットで簡単に手に入る
- サイトの運営業務が属人化しない
- マルチデバイス対応が可能
- SNS連携が容易
- 経費削減になる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1.プログラミング知識がそこまでなくてもサイト構築・運用ができる
CMSを使うと、流れに沿って設定するだけで、誰でも簡単にウェブサイトの構築・運用が行えます。画像・動画のアップロードや編集などの機能がついているCMSもあるので、他のアプリやシステムを使わずにCMSだけでウェブサイトを作成し、管理し続けることも可能です。ただし、手作り感のない高度にデザインされたサイト、高い操作性と多岐にわたる機能を搭載したサイトに仕上げるためには、プログラミングやサイトデザインの知識と実践的スキルが必要になります。例えば、企業向けの商品・サービスの販売サイトや、企業ホームページなどを作成するときは、CMSの基本機能だけでは満足のいく仕上がりにはなりません。
とりわけBtoBに活用するウェブサイトは、企業の顔でもあります。閲覧者から信頼を獲得するためにも、プログラミングやウェブデザインの専門家に作成を依頼するようにしましょう。
2.ページ追加に付随する編集作業が自動で行われる
CMSを利用せずにウェブサイトを作成するときは、ページごとにフォーマットを適用して1から設定をしなくてはいけません。わずか1ページを増やすだけでも、HTMLについての知識が必要とされ、パソコン初心者ではスムーズに対応できないでしょう。しかし、CMSを利用すれば、ページ追加に付随する編集作業が自動で行われるので、手間をかけずにページやコンテンツを増やせます。プログラミングの知識やスキルに個人差があるチームでも、CMSなら運営・管理が可能です。
3.CMSの基本機能やプラグインにより簡単にSEO対策ができる
CMSの中には、基本機能にSEO対策が搭載されているものがあります。SEO対策とは、検索エンジンで上位に表示されるための対策のことで、メタディスクリプションや見出しを作成したり、キーワードを適切に挿入したりすることが含まれます。上位に表示されると閲覧数の増加が期待できるので、商品・サービスの販売サイトやアフィリエイトサイトなどでは不可欠の対策です。また、基本機能にSEO対策が含まれていない場合でも、プラグイン(拡張機能)を導入することでSEO対策に対応できることがあります。ウェブサイトによる広告効果を高めるためにも、CMSを活用してSEO対策を進めていきましょう。
4.テンプレートが多彩でレイアウト設定・デザイン設定が簡単
CMSでは、サイトデザインの設定も簡単に行えます。多彩なテンプレートが用意されているので、好みに合うものを選びましょう。また、同じデザインでも、レイアウトや色彩などを変更できるものもあります。ただし、テンプレートをそのまま使用するのでは、理想とするデザインを表現できないこともあるので注意しましょう。また、企業ホームページを作成するときは、テンプレートをそのまま利用すると重みのないデザインになる傾向があるだけでなく、企業イメージを正確に表現できないこともあります。
企業の信頼性に関わる公式ホームページや商品・サービスの販売サイトを作成するときは、テンプレートをそのまま使用するのではなく、プログラミングやサイトデザインのスキルのある専門家にデザインを依頼するようにしましょう。
5.ユーザー数が多いため知りたい情報がネットで簡単に手に入る
CMSを利用すれば、プログラミングなどの知識やスキルがなくても簡単にウェブサイトを作成することが可能です。そのため、企業や個人のブログ、ホームページの多くはCMSを使って制作されています。ユーザー数が多いCMSであれば、ユーザーのコミュニティが形成され、知りたい情報をインターネットで簡単に入手できるでしょう。例えば、WordPressなどの人気CMSは世界中にコミュニティがあり、より効果的な運用方法やトラブル時の対応方法などの情報を日夜交換しています。
また、コミュニティがない場合でも、Yahoo!やGooなどのプラットフォーム内で提供されている知恵袋的なウェブサイトを活用すれば、知りたい情報を簡単に入手することが可能です。ただし、知りたい情報を入手できても、その情報が正しいかどうか検証することや実装することには、ある程度のプログラミングの知識やスキルが求められます。自力での対応が難しそうなときは、サポート体制が充実しているCMSを選ぶようにしましょう。
6.サイトの運営業務が属人化しない
CMSは、誰でも簡単にウェブサイトを作成・運営できるシステムです。そのため、誰が扱ってもウェブサイトの外観や機能は変化しません。一方、CMSを使わずにウェブサイトを運営する場合、担当者のスキルによって外観や機能が大きく変化したり、トラブルを招いたりする可能性もあります。大勢で運営した場合でも一定のクオリティを保つためには、CMSの利用を検討するとよいでしょう。
7.マルチデバイス対応が可能
マルチデバイス対応とは、ユーザーのインターネットデバイス(スマホやパソコン、タブレットなど)に合わせて画面や文字のサイズ、レイアウトを最適化する機能です。多くのCMSでは、マルチデバイス対応が標準機能として搭載されています。
マルチデバイス対応できていないウェブサイトは見づらく、ユーザーの途中離脱を招きかねません。様々なデバイスで閲覧することを考慮し、ユーザーにとって使いやすいウェブサイトを構築しましょう。
8.SNS連携が容易
ウェブサイトの閲覧数を増やすには、SEO対策が必要です。また、ウェブサイトの流入経路を増やすことも必要になります。流入経路を増やすには、SNSで自社の公式アカウントを開設し、ウェブサイトと連携することなども検討できるでしょう。CMSの中にはSNSとの連携をシンプルな手続きで行えるものもあり、閲覧数増加に役立てられます。
9.経費削減になる
ウェブサイトの構築・運営に必要な機能がパッケージ化されたCMSは、フルオーダーメイドでウェブサイトを作成するよりも安価に利用できる傾向にあります。また、自動投稿機能やセキュリティ対策などが搭載されているCMSなら、人件費や保守費の削減も実現できるでしょう。ただし、ウェブサイトに求める機能性やデザイン性によっては、オプション費用やプラグインの使用料などが必要になるため、コストがかさむこともあります。理想とするサイトの実現、更新性を含めた運営改善と費用感はトレードオフの関係にある点に留意しておきましょう。