CMSでサイト構築を行う5つのデメリット
CMSでウェブサイトを構築することには、いくつか注意すべき点もあります。主なデメリットとしては次の点が挙げられます。- 既存サイトがある場合はデータ移行やリニューアルの必要がある
- セキュリティ対策が必要
- 定期的にバックアップを取らなければならない
- 最低限の作業フローを覚える必要がある
- カスタマイズが難しい
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
1.既存サイトがある場合はデータ移行やリニューアルの必要がある
同じ目的で運営しているウェブサイトがある場合は、統一することでユーザーの混乱を防げるでしょう。ウェブサイトが2つあればアクセス数が2倍になる…といった単純なものではなく、ユーザーの不信感を強める、ウェブサイトの管理の手間が2倍になるなどのデメリットのほうが多い点に注意が必要です。すでに運営しているウェブサイトを、CMSで制作するウェブサイトに統一するときは、データ移行やサイトリニューアルの必要性が生じます。サイト構築に使ったシステムが異なる場合には、データを自動的に読み込むことはできません。設定のひとつひとつ、コンテンツのひとつひとつを丁寧に移行することが不可欠です。
2.セキュリティ対策が必要
CMSによっては、セキュリティ対策の機能も搭載されていることがあります。しかし、悪意のあるユーザーがアクセスするリスクもあるため、基本的なセキュリティ対策だけでは十分とは言えない可能性もあります。特にオープンソースのソフトウェアは、誰もが使用しているコードを閲覧できるので、システム上の穴を見つけて攻撃するユーザーもいないとは言えません。とりわけ利用者が多いCMSはターゲットになりやすいので、セキュリティ対策用のプラグインなども活用するようにしましょう。
3.定期的にバックアップを取らなければならない
一般的に、CMSは頻繁にアップデートが行われます。最新のセキュリティ対策を実装するためにも、アップデートの案内の度に対応することが必要です。しかし、アップデートにより操作ができなくなったり、何らかの不具合が生じてテキストや画像が失われたりすることもあります。定期的にバックアップを取り、万が一に備えるようにしましょう。
4.最低限の作業フローを覚える必要がある
CMSは、誰にでも使いやすいように設計されているシステムです。しかし、直感に従って操作していると、設定ミスやデータ消去といったトラブルが起こることもあるので注意しましょう。まずは執筆から投稿、削除といった最低限の作業フローを覚え、手順に沿って操作する習慣を身につけます。また、複数人で運営する場合は、使い方のマニュアルを作成し、誰もが適切な作業を行えるようにしておきましょう。
5.カスタマイズが難しい
CMSは、プログラミングの素養のない方でも簡単に利用できるように工夫して作られています。そのため、基本機能を使う分には難しさはほとんどないのですが、拡張機能を使いこなすのは難しく、HTMLなどの知識や実務スキルが求められます。カスタマイズして、より高度なデザイン性と機能性を搭載したいときは、ウェブサイト制作会社に依頼するなど、専門家の力を借りることが必要です。どのようなウェブサイトにしたいか、また、どの程度の予算を割けるのかによって、適切な方法でウェブサイトを作成しましょう。
比較的簡単に維持や管理のできるCMSをお探しの方は、以下の記事も参考にしてください。
CMSの種類
CMSは大きく次の3つの種類に分けられます。● オープンソース型CMS
● パッケージ型CMS
● フルスクラッチ型CMS
それぞれ順に、小規模サイト、中~大規模サイト、独自開発サイトに適しています。各CMSの特徴やメリット、注意点について見ていきましょう。
小規模サイト向けの「オープンソース型CMS」
オープンソース型CMSとは、プログラムのソースコードがオンライン上に公開されているCMSのことです。無料で利用できるものが多く、ユーザーや利用できるテンプレート、プラグインなども多数あります。気軽に利用できる点はメリットですが、サポート体制が整っていないことがほとんどです。そのため、トラブルが生じたときは、ユーザー間で知識を共有したり、自分で独自に対応したりしなくてはいけません。
とはいえ、気軽に利用できるので、コストを極力抑えたいときには適しています。個人ブログや趣味のウェブサイト、企業ホームページに掲載する簡易的なブログなどにおすすめです。
中〜大規模サイト向けの「パッケージ型CMS」
パッケージ型CMSとは、パッケージやクラウド商品として販売されているソフトウェアのことです。基本的には有料で、最初に買い切るタイプと、月単位・年単位で利用料金を支払うタイプがあります。パッケージ型CMSは、サポート体制が充実している傾向にあります。メールやチャットでの問い合わせ以外にも、電話などの窓口が用意されていることも少なくありません。
パッケージ型CMSは機能性が高く、セキュリティ対策も手厚いことが多いため、中~大規模サイトや商用利用に適しています。ECサイトなどの顧客の個人情報を扱うサイトなどにも適しているでしょう。
独自開発が可能な「フルスクラッチ型CMS」
オープンソース型もパッケージ型も、ウェブサイトの制作は基本的には自社で行う必要があります。トラブルが生じた場合も、パッケージ型CMSであればサポートは受けられますが、指示通りに操作するのは実際には自社の担当者となるため、プログラミングの素養が求められるでしょう。一方、フルスクラッチ型CMSは、一定の型を使わずに一からウェブサイトを作成することです。社内で自作する場合も、ウェブサイト制作会社に依頼する場合も、いずれも一から作成するときはフルスクラッチ型と呼ばれます。
ウェブサイト制作会社に依頼するときは、保守やトラブル対応も全て任せられるので、プログラミングに対応できるスタッフがいないときでも利用できます。ただし、基本構成から全て作成するため、オープンソース型やパッケージ型と比べて時間がかかるだけでなく、費用も高額になる点に注意しましょう。